小4女児虐待事件はなぜ防ぐことができなかったのか 虐待撲滅へ、私たちができること
千葉県野田市で起きた虐待事件は、児童相談所の「人手不足」だけではなく、別の原因があると専門家は指摘しています。
千葉県野田市の小学4年生、栗原心愛(みあ)さんが亡くなった事件で、野田市を担当する千葉県柏児童相談所の対応に非難が集まりました。これまでの虐待事件でも、不適切な対応をした児童相談所に非難が集まりがちでしたが、「児相はなぜ、毎度のように不適切な対応を行ってしまうのか」という疑問が湧いてきます。
その原因の一つとして、よく言われるのが「人手不足」ですが、千葉県警で上席少年補導専門員として、少年の非行問題や児童虐待問題などに関わった少年問題アナリストの上條理恵さんは「人手不足だけが大きな原因ではない」と指摘します。一体、何が原因なのでしょうか。
児相や職員が増えても虐待は減らない
Q.そもそも、児童相談所はどのような目的で誕生したのですか。
上條さん「児童相談所は元々、虐待だけを扱う機関として誕生したわけではありません。0~18歳未満の子どもに関する全ての相談を受ける、児童福祉の公的な専門機関です。虐待以外にも、障害に関すること、子育て、非行など、受ける相談は多岐にわたります。現在は、虐待案件の数が大きく増えたことに比例して、児相の業務割合も、虐待を扱うことが大幅に増えました。児相本来の趣旨からは変わりつつあると思います」
Q.虐待案件に児相が不適切な対応をすると、その原因として「人手不足」がよく挙げられます。人手不足だけが原因なのでしょうか。
上條さん「児相に勤める友人がたくさんいますが、友人に限っていえば、真摯(しんし)に虐待案件に対応しており、おそらくモチベーションの低下が不適切な対応につながっているとは考えにくいと思います」
Q.児童福祉司が、虐待を防ぎ、解決するためのノウハウやトレーニングといった専門性を持ち合わせていないと聞いたことがあります。
上條さん「かつては、児童相談所の職員の中にも、虐待に関する専門性を持ち合わせていない方がいたこともありました。市役所などに採用された地方公務員が、たまたま配属先として児相に配属されていたのです。一定の期間が経過すると、児相から市役所などの他部署に戻る方もいました」
Q.現在はどうですか。
上條さん「現在は、専門性のある職員や児童福祉司の資格を持った方がほとんどです。それ以外にも、児童心理司や保健師の資格を持った人も配属されています。教育現場から現役の教員が児相に異動してくることがあります。いろいろな意味で、視野を広げるために配属されるようです」
Q.東京都では、練馬区を除く22の特別区が児相の設置を準備、あるいは検討するなど、児相の数を増やそうとする動きがあります。また、児童福祉司の数を増やす動きもあります。これらが、虐待事件を防ぐきっかけになると思いますか。
上條さん「児相や児童福祉司の数が増えだだけでは、虐待事件を減らすきっかけになるとは思いません。現在の児相職員が抱える虐待案件は、1人あたり約50件、多いと100件以上になる方もいます。確かに、1人当たりの負担が減れば、虐待案件に対してより深い関わりや追及・調査ができるようになるかもしれません。しかし、野田市の虐待事件のように対応が困難で重篤な場合は、数を増やしてどうなるものでもないと思います」
子供が最後の助けを求めに砦に入ったのに 自己防衛としか思えない職員の手で 見放された形になったとおもいます。仕事とは何でしょうか?お給料をもらっている以上 厳守して欲しいです。危険と感じるなら警察を呼べばいい。自分の行為が誰かにばれた時 元の位置に戻ると それ以上の被害に遭うという過程を頭に入れて頂ければ 彼女がどれほど怖い思いをしながら過ごして死に至ったかをご理解いただけると思います。何度も似たような事件が起きますがひどすぎる。守る立場でそれぞれの役割をしないなら 必要ないはずですが罰則が在ってもいいと思います。緩すぎると思います。