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小4女児虐待事件はなぜ防ぐことができなかったのか 虐待撲滅へ、私たちができること

「大人の連携不足」が原因

Q.野田市の虐待事件で、児相の対応に批判が集中しました。児相の「人手不足」も原因なのではないでしょうか。

上條さん「野田市を担当する柏の児相が不適切な対応を行ったのは、『人手不足』も原因の一つかもしれません。しかし、私はそれが最も大きな原因だとは思っていません。虐待に対する『大人の連携不足』が最も大きな原因であると考えています」

Q.どういうことですか。

上條さん「虐待に関わる機関が、虐待を防ぐためのネットワークをつくれていなかったということです。このネットワークとは、家庭を取り巻く『児相』『行政』『学校』『警察』『地域』の5つの連携です。虐待は、児相だけが対応する問題ではありません。社会の問題だと私は思っています。

いろいろな関係機関が、虐待が疑われる案件の情報共有や、『こんなことが起きたら○○が関与する』というお互いの役割分担などについて具体的に情報を共有し、連携していれば、野田市の虐待事件の被害者を救えたと思っています」

Q.そうした連携がうまく機能している地方自治体はありますか。

上條さん「例えば、千葉県市川市がそうです。市川市は、国府台病院児童精神科と連携している唯一の要保護児童対策地域協議会(要対協)を持っています。市川児童相談所を含む、さまざまな機関が、虐待が疑われる案件についていろいろ意見を出し合っていました。

例えば、親がどうしても子どもを児相の職員に会わせようとしない場合は、児相の職員と警察が一緒に訪問する、休み明けに児童が不登校の場合は、市役所の職員が家庭訪問したり、市役所と学校が連携したりする、児童の言動がどうしても理解できない場合は医療につなげるなど、さまざまなケースの具体的対応について共通理解をしていました。テーブルに出た児童のケースを、会議終了後、警察が一時保護したケースもありました。市川市のようにうまく連携できているのは、日本ではまだ少数ではないでしょうか」

Q.野田市の虐待事件から、虐待をしている(疑われている)親が児相の職員に強い態度を取り、職員が、親の言われた通りに動く可能性があることが明らかになりました。こうしたことから、特に警察との連携を叫ぶ声が高まっていますが、なぜ今まで連携がうまくいかなかったのでしょうか。

上條さん「児相の職員は、保護者からのどう喝などにはある程度慣れていると思いますが、そうでない職員もいます。今回のケースは、児相と警察の連携不足だったと言わざるを得ません。もし、保護者が激高することが予測できる、または、もしかすると激高するかもしれないという場合、事前に警察と情報交換をすることが望まれます。場合によっては、警察に援助要請し、警察官に後方支援してもらうことも可能です。子どもを守るために遠慮は禁物です」

Q.市川市の場合は、どうだったのですか。

上條さん「私が市川警察署に勤務していたときは、場所が近かったこともありますが、児相との関係がうまくいっていたので、気軽に児相に書類などを持参する機会がありましたし、児相の職員からも『少し相談がある』とよく声をかけられました。児相の職員が警察に相談に訪れたり、児相に虐待案件について相談したり、というやり取りが頻繁にありました」

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上條理恵(かみじょう・りえ)

少年問題アナリスト

少年問題アナリスト、元上席少年補導専門員、東京経営短期大学特任准教授。小学校、中学校、高校講師を経て、1993年より、千葉県警察に婦人補導員として、青少年の非行問題(薬物問題・スマホ問題・女子の性非行)・学校との関係機関の連携・児童虐待・子育て問題に携わる。学会活動として、非行臨床学会の会員としての活動も行う。小中学生、高校生、大学生、保護者、教員に向けた講演活動は1600回以上に及ぶ。

コメント

1件のコメント

  1. 子供が最後の助けを求めに砦に入ったのに 自己防衛としか思えない職員の手で 見放された形になったとおもいます。仕事とは何でしょうか?お給料をもらっている以上 厳守して欲しいです。危険と感じるなら警察を呼べばいい。自分の行為が誰かにばれた時 元の位置に戻ると それ以上の被害に遭うという過程を頭に入れて頂ければ 彼女がどれほど怖い思いをしながら過ごして死に至ったかをご理解いただけると思います。何度も似たような事件が起きますがひどすぎる。守る立場でそれぞれの役割をしないなら 必要ないはずですが罰則が在ってもいいと思います。緩すぎると思います。