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主治医と関係悪化懸念も…「セカンドオピニオン」は利用すべき? メリットや課題は?

セカンドオピニオンの課題は?

Q.セカンドオピニオンの課題は。

森さん「公的保険(健康保険)の対象外のため、全額自費診療となり、医療機関によって費用が異なります。医療機関によっては、1回の相談で数万円かかる所もあります。

また、どのような医師にセカンドオピニオンを求めればよいかという情報が少ないのも課題です。間違ったものも含め、病気や治療に関する情報があふれているので、患者さんの思い込みで治療に不満を持つケースもあるようです。特定の情報だけをうのみにせず、さまざまな情報を客観的に判断する、いわば『聞く耳』を持つことが、ベストな治療を選択する上で大切です」

Q.セカンドオピニオンの医師の選び方は。

森さん「いくつか治療法があるならば、専門の異なる医師に見解を求めることで、選べる治療のメリット、デメリットがより明確に分かるでしょう。例えば、がんの場合、放射線治療医や病理診断医の意見を聞いてもよいでしょう。また、『この治療で大丈夫』という確信を得たいのであれば、同じ専門でも別の医療機関の医師に意見を求めるのもよいと思います。

しかし、自分の思い描いた通りの答えを求めてセカンドオピニオン、サードオピニオンと重ねてしまい、逆に自分に最も適した治療を見つけられなくなってしまうケースもあります。まずは、『第一選択』として提案された治療について理解することを大切にした上で、別の角度からの意見を聞く場がセカンドオピニオンであるということを知ってほしいです」

Q.患者は不安な気持ちが強く、客観的に判断できないのではないでしょうか。

森さん「病気と診断されたら不安になるのは当然の反応です。しかし、一度落ち着き、現在の主治医に対しての不安は治療への不安なのか、主治医の人柄への不安なのか、病気への漠然とした不安なのか、まずは『何が不安なのか』を整理してみましょう。

例えば、主治医の説明に疑問を感じた場合は、どこが疑問かを具体的に箇条書きにして持参し、再度質問してみる、主治医に直接聞きにくければ、看護師にメモを手渡してもよいと思います。その質問に対する説明でも治療に不安を覚えた場合は、セカンドオピニオンを検討するとよいでしょう」

Q.もし、「大したことはない」と診断した主治医と、「症状が深刻」と診断した医師がいた場合、どちらの意見を信じればよいでしょうか。

森さん「これは難しい問題ですが、『深刻』だと診断した医師には、検査結果などそれなりの診断の根拠があるはずです。どのような治療になるのか、治療しなかった場合はどのようなリスクが考えられるかなどをしっかり説明してもらい、納得できる内容であればその医師の治療に進みましょう。その場合、並行してもう一方の医師を受診すると治療方針がブレるので、治療を決めた方の医師に任せましょう。

主治医にその旨を伝える際は、患者さんの当然の権利なので人間関係の気まずさを気にする必要はありませんが、医療は人と人との信頼関係で成り立っていることも確かです。感情的にならず、コソコソせず、自分の希望をしっかり伝えてください」

(オトナンサー編集部)

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森まどか(もり・まどか)

医療ジャーナリスト、キャスター

幼少の頃より、医院を開業する父や祖父を通して「地域に暮らす人たちのための医療」を身近に感じながら育つ。医療職には進まず、学習院大学法学部政治学科を卒業。2000年より、医療・健康・介護を専門とする放送局のキャスターとして、現場取材、医師、コメディカル、厚生労働省担当官との対談など数多くの医療番組に出演。医療コンテンツの企画・プロデュース、シンポジウムのコーディネーターなど幅広く活動している。自身が症例数の少ない病気で手術、長期入院をした経験から、「患者の視点」を大切に医師と患者の懸け橋となるような医療情報の発信を目指している。日本医学ジャーナリスト協会正会員、ピンクリボンアドバイザー。

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