オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

認知症になって妻に不倫された43歳男性、娘を守りたい一心で離婚を決断するまで(上)

夫が、働くこともできないような病気にかかったとき、妻が助けてあげるのが本当の夫婦かもしれませんが、生活苦や夫の世話が嫌で“離婚”に踏み切ろうとする女性もいるようです。

認知症の夫と離婚しようとする妻は…
認知症の夫と離婚しようとする妻は…

 突然ですが質問です。「夫婦なら助け合うのは当然」だと思い込んでいませんか。万人に適用される法律の条文に「夫婦は助け合う義務がある」と書かれているわけでも、全てのカップルが結婚するときに「どんなときも助け合うよ」と誓うわけでも、「互いに助け合わなければならない」という契約を結んだわけでもないのに。

 だから、相手がピンチに陥ったとき、本当に助けるかどうかは自由です。もっと言えば、「夫婦だから」という大義名分の下、協力を押し付けられるのなら、「夫婦をやめればいい」と離婚に踏み切るケースすら存在するのが現実です。

 特に夫婦の真価が問われるのは病気のとき。例えば、突然の告知に驚き、治療法の選択に悩み、病魔の恐怖におびえる配偶者の姿を目の当りにしたらどうでしょうか。愛情ゼロの仮面夫婦でも「助けてあげないと!」とスイッチがオフからオンに切り替わる可能性が高いでしょう。

 数年前、自分の不倫を棚に上げ、病気の妻に離婚を突きつけ、子どもの親権を手に入れ、妻を奈落の底に突き落とした著名人の悪行が各メディアで報じられ、眉をひそめたことを覚えていますか。

 助け合う理由が「夫婦だから」では足りないのは有名人だけでなく、一般人も同じです。病気を打ち明けたとき、配偶者の脳裏によぎるのが「助けてあげないと!」ではなく、「うんざりだから別れようかなあ」だとしたら…まさに鬼畜の所業ですが、むしろ、男性(夫)より女性(妻)の方が冷酷で残酷で容赦ない印象です。夫の病気に便乗し、ちゃっかりと離婚を企てる妻に悩まされているのは今回の相談者・菅野雅一さん。

 具体的には、夫が若くして認知症の診断を下されたのをいいことに、近い将来、病気の症状が進めば働くこともままならず、まとまった収入が途絶えることが予想されるので、もう夫は用なし。

 身の回りの世話、病院の付き添い、病気の看病などの面倒を押し付けられるのはごめんなので「早く離婚して!」の一点張り。先立つものがなければ、専業主婦の妻が夫を捨てるのは経済的に無理ですが、すでに金づるの男を用意していたようで…娘さんに向かって「これからは彼(間男)があんたのパパだから」と言い放つ身勝手ぶりだったのです。

<家族構成と登場人物、属性(すべて仮名。年齢は現在)>
菅野雅一(43歳) 会社員 ※今回の相談者
菅野聖子(40歳) 専業主婦 ※旧姓は原口
菅野心寧(15歳) 中学生
志村知花(45歳) 専業主婦。雅一の姉
菅野一徳(75歳) 年金生活。雅一の父

1 2 3

露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

露木行政書士事務所代表

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

コメント