【水虫】バスマットだけじゃない…家庭内の感染招く“要注意スポット”とは 医師に聞く
水虫の予防方法について、医師に聞きました。

高温多湿な夏は靴の中がむれやすく水虫になりやすいといわれています。また、水虫は他人にうつるといわれており、いつの間にか水虫にかかっているケースも珍しくありません。夏に水虫を防ぐ方法について、豊洲内科・糖尿病/形成・美容外科クリニック(東京都江東区)副院長で形成外科専門医の澤口悠さんが解説します。
必要な取り組みは?
水虫は、家族内でうつることがあります。感染の主な原因は、水虫の人の足からはがれ落ちた皮膚や爪のかけらです。その中に、水虫の原因となる「白癬菌」が含まれていると、床やバスマット、スリッパ、タオル、じゅうたん、畳などに菌が残り、それを家族が素足で踏むことで足に付着します。
足白癬や爪白癬の人がいる家庭では、白癬菌が家のさまざまな場所に、単独またはあかや爪に含まれた形で存在することがあるとされています。
特に注意したいスポットは、バスマットや足拭きタオル、共用スリッパ、脱衣所の床、浴室前、洗面所、じゅうたん、畳です。バスマットは家族全員が入浴後の湿った足で使うため、白癬菌にとって残りやすい場所です。
家族に水虫の人がいる場合は「バスマットを共有しない」「小まめに洗濯する」「使用後はしっかり乾かす」といった対策が有効です。日本皮膚科学会も、タオルやマットは洗濯し、洗濯できないものは水拭きして乾燥させること、床や畳は掃除機や水拭きで白癬菌を取り除くことを勧めています。通常の洗濯で十分ともされています。
スリッパの共有も避けたいポイントです。特に来客用スリッパやトイレスリッパ、家族で使い回している室内履きは、足の角質が付着しやすい場所です。水虫がある人は専用のスリッパを使い、できれば洗える素材や通気性のよいものを選ぶとよいでしょう。
はだしで家中を歩く習慣がある場合は、床掃除を小まめに行うことも大切です。白癬菌は髪の毛、ホコリ、あかなどと一緒に部屋の隅に残ることがあるため、「掃除機をかける」「水拭きをする」「湿気をためない」といった基本的な掃除が感染予防につながります。
家庭内感染を防ぐ上で最も大切なのは、「水虫の人を責めること」ではなく、「治療と環境対策をセットで行うこと」です。家族の誰かに水虫がある場合、その人だけが薬を塗っても、バスマットやスリッパを共有していれば再感染のリスクが残ります。反対に、家をどれだけ掃除しても、本人の治療が不十分であれば菌は落ち続けます。治療や洗濯、乾燥、掃除を無理のない範囲で続けることが大切です。
水虫を防ぐために身に付けたい予防習慣は?
来シーズン以降も水虫に悩まされないための予防習慣として、まず意識したいのは「足を清潔にして、よく乾かす」ことです。足は毎日やさしく洗い、特に指の間まで水分を拭き取ります。入浴後、指の間が湿ったまま靴下を履くと蒸れやすくなります。タオルで拭いたあと、少し時間をおいてから靴下を履くのもよい方法です。
次に重要なのが、靴と靴下の管理です。同じ靴を毎日履き続けると、靴の中に湿気がこもります。できれば靴は2〜3足をローテーションし、履いた靴は乾かす日を作りましょう。「通気性のよい靴を選ぶ」「汗をかいたら靴下を替える」「吸湿性のよい靴下を使う」といった工夫も有効です。
医学事典「MSDマニュアル」でも、再発予防には足や履物内の蒸れを軽減すること、暖かい気候では通気性のよい履物や靴下交換、入浴後に足の指の間を乾燥させることが重要とされています。
また、ジム、プール、温泉、銭湯、サウナ、宿泊施設の大浴場など、多くの人がはだしで歩く場所を利用した後は、足を洗ってしっかり乾かす習慣をつけましょう。「帰宅後に足を洗う」「足拭きマットを清潔に保つ」「共有スリッパを避ける」といったシンプルな対策が、感染予防には意外と効果的です。
水虫予防で大切なのは、特別なことを一度だけ行うことではなく、白癬菌が好む「湿気」「蒸れ」「角質のたまり場」を日常的に減らすことです。「足をやさしく洗う」「しっかり乾かす」「靴を乾燥させる」「バスマットを清潔にする」「家族でスリッパを共有しない」という基本的な取り組みを続けることが、最強の予防習慣と言えます。
水虫は命に関わることは少ない病気ですが、放置すると長引き、爪水虫に進んだり、家族内で繰り返したりすることがあります。「たかが水虫」と考えず、早めに気付き、正しく治療し、家族でうつし合わない環境を作ることが大切です。
(オトナンサー編集部)







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