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メモを取る、何度でも質問…患者と医師のコミュニケーション、どうしたらうまくいく?

病院の外来診療時間は短く、医師と十分なコミュニケーションを取る余裕がありません。医師とコミュニケーションを取る上での心構えとは。

医師と十分なコミュニケーションを取るコツとは?
医師と十分なコミュニケーションを取るコツとは?

 病院で外来診療を受けたとき、受診時間が短く、話したいことを話せず後悔した経験がある人は多いのではないでしょうか。1人の医師が多くの患者を診なければならないなど、医療機関側の課題もありますが、そうした状況で患者側は、医師と十分なコミュニケーションを取るために何ができるのでしょうか。患者・医療者双方のコミュニケーション能力を高める活動に取り組んでいる認定NPO法人「ささえあい医療人権センターCOML」(大阪市北区)理事長の山口育子さんに聞きました。

診療時間は長くても3~4分

Q.大規模な病院で、1人の医師が外来診察で診る患者数は、平均1時間当たり何人ですか。

山口さん「診療科や病院により異なりますが、医師は1時間に約10人以上の患者を診ています。単純計算で1人6分です。ただ、この時間には患者さんの入れ替わりやカルテの記載なども含めているので、本当の診察時間は1人当たり長くて3~4分です。少ない場合は1分ということもあります」

Q.こんなに短いと、医師とコミュニケーションをしっかり取るのは難しいですね。

山口さん「『いつも診察に時間を取ってください』というのは無理だと思います。しかし、大きな病気であったり、手術が必要な病気であったりすれば、1時間以上時間を取って説明している医師が多いです。

医療が進歩すると、治療に関する情報も増えます。それを分かりやすく説明するのは至難の業ですが、それでも詳しい説明が求められる時代になりましたので、1時間以上かけて説明するのです」

Q.患者さんは医師が説明する内容を理解しているのでしょうか。

山口さん「患者さんは、医師の説明することにうなずいてはいますが、分かっていない場合が多いと思います。分からないのに質問しないのは、何を質問すればよいか分からないからではないでしょうか。

分からないというのは『何が分からないのか分からない』ということです。分かったら質問をすることができます。医師からの説明に対し『難しいなあ』『大変なんだなあ』『怖いなあ』という反応で終わってしまっていることが多いように思います」

Q.では、患者がどのようにすれば、医師とうまくコミュニケーションを取れますか。

山口さん「COMLでは、医師とうまくコミュニケーションを取るための心構えとして、『新 医者にかかる10箇条』を提唱しています」

(1)伝えたいことはメモして準備
(2)対話の始まりはあいさつから
(3)よりよい関係作りはあなたにも責任が
(4)自覚症状と病歴はあなたを伝える大切な情報
(5)これからの見通しを聞きましょう
(6)その後の変化も伝える努力を
(7)大事なことはメモを取って確認
(8)納得できないことは何度でも質問を
(9)医療にも不確実なことや限界がある
(10)治療方法を決めるのはあなたです

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