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メモを取る、何度でも質問…患者と医師のコミュニケーション、どうしたらうまくいく?

理解できるまで聞いてみる

Q.患者は、事前に伝えたいことをメモしてから準備したほうがよいそうですが、どのような質問を想定すればよいですか。

山口さん「聞きたいことをメモして受診するのは、当たり前と思う人もいるかもしれません。しかし、それを行っていない人が多数います。そうした人は、診断が終わった後に『聞き忘れた』と後悔した経験があるのではないでしょうか。

後悔するのを避けるためにも、治療のスケジュール、治療中の日常生活に支障のあること、治療後の生活の変化など、素直に疑問に思ったことをメモし、受診時に聞けばよいと思います」

Q.そのほかにも、受診時の患者の様子で気になることはありますか。

山口さん「医師の説明を理解できていないのに、スルーする患者さんが多いことです。医師に説明を受けたときには、まずは『分からない』と感じたことに敏感になりましょう。『えっ』と思ったら、その『えっ』と思ったことから聞いてみる。まずは、そこからです。理解できていないのに中途半端にしないことが大事です」

Q.医師に何を聞きたいか分からない」という場合は、どのようにすればよいですか。

山口さん「漠然とした症状でも、何でも感じたことを話すことです。いつごろから始まって、どういう頻度で起きているか、どんな症状なのか、これらは患者にしか分からない自覚症状なのでそれらをしっかりと伝えます。

そうすると、医師が『その症状が起きているときにこんな症状はありませんか』『どういう体勢を取ったら楽ですか』などと聞き進め、どのような病気なのか診断し、必要な治療法を決めてくれます」

Q.メモしておくこと以外では、どのようなことに気を付ければよいですか。

山口さん「医師も人間です。しかし、医師を違う世界にいる人のような特別な人間と思っている人が多く、医師に多くのことを期待する傾向がみられます。説明が分かりやすく、治療の腕もよく、知識も豊富で、性格もよく、優しくて、できれば顔もよく背も高く…と。医師にそんな万能人はいません。

また、『こんな基本的なこと聞くと失礼かな』『こんなことを聞くと馬鹿にされないかな』と身構える人が意外に多いと感じます。お互い人間同士なので、どんな人とも同じように、配慮を持ってコミュニケーションを取ればよいと思います」

Q.ネットの医療情報を信じ、医師とのコミュニケーションが滞ることはありますか。

山口さん「ネットで病気の情報を熱心に調べ、そちらの情報が正しいと思い、医師の説明が異なると否定してしまう若い人もいます。ネットの医療情報は怪しいものもあり、適切と言いがたいものもあるので、あくまで補助的に自分の知識を得るということを頭に入れてほしいです。

ネットの情報は、基礎として持っていてもよいですが、まずは医師から説明を聞く。『あれ、どうして書いてあることと違うのかな』と思ったら、正直に『ネットではこのように書かれていましたが、違うのですか』というように聞いてみてください」

Q.逆に医師が、患者と上手にコミュニケーションを取るために心がけることは何ですか。

山口さん「1999年ごろから、医療不信が高まったことを受けて、特に大きな病院では、患者とのコミュニケーションをうまく取ることが意識され始めました。現在では、患者対応の研修が医療機関で当たり前に行われるようになり、医学部でも、患者には礼儀正しく、あいさつも自己紹介もしてコミュニケーションを取る必要がある、との研修が行われるようになりました。

患者さんとのコミュニケーションなど医療の現状を変えるには、患者さんの協力が欠かせないという意識に、医療者側も変わってきています。同時に患者の側も、医療任せにせずに自分の問題として向き合い、どういう医療を受けたいのかを考えることが必要になってきています」

(オトナンサー編集部)

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