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「助けてもらえる」か「痴漢に狙われる」のか 「ヘルプマーク」助け合いのしるしの是非

ヘルプマークを悪用するケース

 療育手帳は「手帳を見せると運賃が割引になる」などの補助やサービスが受けられますが、ヘルプマークには何らかの公的なお金の補助があるわけではないので、中にはこれを悪用する人もいます。

「ヘルプマークをつけていると、電車で優先席に座っていても、おとがめなしだよ」とどっさりもらってきて、友達に配りまくっている人も実際にいました。

 実際、役所の受付のカゴに、ヘルプマークが山のように置かれていて「お取りください」と書いてあるのを目にしたこともあります。「対象となる人や代理人の申し出により、1人1つまでの配布」「代理人が受け取る場合、1家族につき2枚まで」などとする自治体もある一方で、どんどん渡す自治体もあるなど、自治体によってヘルプマークの配布の仕方は異なるようです。駅の構内に置いてあることもあります。

 以前、“性善説MAX”と言えるようなプラス思考の親御さんがいました。その人は自分の家の鍵につけたキーホルダーに、自宅の住所を書いていました。これはつまり、キャッシュカードに暗証番号が書いてあるようなものです。

「こんなことを書いていたら『泥棒に入ってください』と言っているようなものですよ」と注意したら、その人は「誰かが拾って、届けてくれると思って」と言っていました。それを聞いた私は正直、「おめでたい人だなあ…」と思ってしまいました。

「ヘルプマークをつけていれば、みんなが優しくしてくれる。助けてくれる」と信じ込むのは、やはり“おめでたい人すぎる”のでしょうか。

 ヘルプマークをつけているだけで、まるで「困っている」という印籠のように捉える人が出てくるのも、「抵抗できない人」と思われて犯罪の餌食となるのも困ります。

 そんなヘルプマークを、私の息子は必要としていますが、「いつかなくなってしまうのではないか」と心配しています。

(子育て本著者・講演家 立石美津子)

【画像】「えっ…そうだったの…?」 これが「発達障害児」にみられることのある行動です(5つ)

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立石美津子(たていし・みつこ)

子育て本著者・講演家

20年間学習塾を経営。現在は著者・講演家として活動。自閉症スペクトラム支援士。著書は「1人でできる子が育つ『テキトー母さん』のすすめ」(日本実業出版社)、「はずれ先生にあたったとき読む本」(青春出版社)、「子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方」(すばる舎)、「動画でおぼえちゃうドリル 笑えるひらがな」(小学館)など多数。日本医学ジャーナリスト協会賞(2019年度)で大賞を受賞したノンフィクション作品「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」(中央公論新社、小児外科医・松永正訓著)のモデルにもなっている。オフィシャルブログ(http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/)、Voicy(https://voicy.jp/channel/4272)。

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