免疫をつかさどる「白血球」 実は“多すぎ”も危険 医師が教える増加の原因&改善策
どうすれば改善できる?
Q.白血球の数が多い場合、どうすれば改善できるのでしょうか。有効な対策について、教えてください。
澤口さん「健康診断で白血球の増加を指摘された場合は、慌てずに原因を探ることが大切です。多くの場合は生活上の要因や一過性の反応なので、次のような対策で改善が期待できます」
■食事や運動、睡眠などの生活習慣を見直す
先述の通り、生活習慣が白血球数に影響することがあります。例えば、普段たばこを吸っている人が禁煙すると多くの場合、白血球数が正常化します。健康診断で白血球の数値が高いと指摘されたら、禁煙を心掛けましょう。
また、肥満傾向にある場合はバランスの良い食事と適度な運動で体重を管理すると、体内での慢性的な炎症が軽減し、白血球数の改善につながります。多くの野菜や果物には抗炎症作用があるといわれているため、日頃の食生活で野菜や果物を積極的に取り入れましょう。
過度な疲労や睡眠不足は免疫のバランスを乱すため、十分な睡眠、休養を取ってストレスを減らすことが大切です。規則正しい生活を送りましょう。
■医療機関を受診し検査を受ける
先ほども説明しましたが、白血球数の数値が高い場合は、念のため内科で検査を受けることをお勧めします。医療機関では、血液中の好中球やリンパ球など、白血球の割合を調べる「白血球分画」と呼ばれる検査や炎症の有無を示すCRP検査を行い、症状があれば追加の検査を行うケースが多いです。
より詳しい検査が必要となる場合は、血液内科で精査を受け、隠れた病気がないか、医師に確認してもらいましょう。特に赤血球数や血小板数など、血液の他の数値にも異常があるときは、血液疾患や膠原病などの可能性もあるため、専門医の判断が重要です。
■白血球増加の原因に応じて適切に対処
白血球が多い原因が判明したら、その原因に応じた対処を行います。例えば、感染症が原因なら、医師の指示に従って適切な治療を受け、十分に休養を取って体力の回復に努めます。
炎症を起こす疾患が原因で白血球数が増加する場合は、治療を継続することで白血球の数値が安定するようになります。ストレスが原因なら睡眠をしっかり取り、「リラックスできる時間を作る」「過度な運動を控える」など、生活環境を整えましょう。
アレルギー体質の人は、花粉やハウスダストなどのアレルゲンをできるだけ避け、必要に応じて抗アレルギー薬を使用すると、免疫反応が治まり、白血球数の改善につながります。服用中の薬剤が原因と考えられる場合は、医師に相談して薬を変更したり、減量したりすることができないか検討してください。
なお、検査の結果、白血病など血液の病気が見つかった場合は、薬物療法や骨髄移植などの専門的な治療が必要になります。
白血球数の数値を下げる特効薬があるわけではありませんが、原因に適切に対処することで、白血球数が正常化するケースがほとんどです。健康診断で白血球数について、「要経過観察」程度の軽度上昇と判定された場合は、まず生活習慣を見直しつつ経過を追い、必要に応じて医師に相談するとよいでしょう。
白血球数が多い状態を放置するとどうなる?
Q.白血球の数が多い状態を放置した場合、体にどのような影響を及ぼす可能性があるのでしょうか。
澤口さん「白血球の増加が一時的ではなく長期間続く場合、次のようなリスクが考えられます」
■慢性的な炎症によるリスク
白血球数が常に多い状態だと、体のどこかで慢性的な炎症が起きている可能性があります。慢性炎症は自覚症状があまりない場合でも、血管や臓器に少しずつダメージを与えることがあります。
実際に、白血球の数値が高い人は心筋梗塞(こうそく)など、心血管疾患のリスクが高まることが研究で示されています。これは白血球の増加が動脈硬化の促進や血液の粘度上昇と関連するためだと考えられます。軽度の白血球増加でも心房細動(不整脈)の発症リスクを上げるという報告もあります。
従って白血球が多い状態を放置すると、将来的に動脈硬化や心筋梗塞などの病気につながる可能性があるのです。
■血液の病気や免疫機能の異常が悪化する可能性
先述の通り、白血球数が多い状態が続く場合、白血病などの血液の病気が隠れていることがあり、その場合、貧血(赤血球不足)や出血傾向(血小板不足)、免疫力の低下といった症状が現れることがあります。また、慢性関節リウマチのような、白血球の機能に異常を来す自己免疫疾患の場合も、炎症反応の一環で白血球が増えることがあります。
血液の病気や自己免疫疾患が原因で白血球数が多い場合、体が警告を発していると言えます。放置すると病気が進行し、体調悪化を招く恐れがあります。
長期間にわたって白血球の数値が高い状態は、たとえ自覚症状がなくても注意が必要です。白血球が多いこと自体が直接、命に関わるわけではありませんが、炎症や疾患といった潜在的な症状を放置すると、将来的な健康リスクが高まります。
定期的に健康診断を受けて白血球数の推移をチェックし、異常が続くようなら早めに医師に相談することが大切です。
(オトナンサー編集部)












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