免疫をつかさどる「白血球」 実は“多すぎ”も危険 医師が教える増加の原因&改善策
白血球の数が増加する主な原因や対処法について、医師に聞きました。

白血球は体内に侵入した病原体や異物を排除し、健康を維持するために重要な役割を果たします。体にとって不可欠ですが、数が多くても体に悪影響を及ぼすといわれています。実際に健康診断で「白血球の数が多い」と指摘される人もいるようですが、この場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。
白血球の数が多い場合に起きるリスクや白血球数を改善する方法などについて、豊洲内科・糖尿病/形成・美容外科クリニック(東京都江東区)院長の澤口達也さんに聞きました。
喫煙や肥満が原因
Q.まず白血球の主な役割について、教えてください。
澤口さん「白血球は体内に侵入した病原体や異物を排除し、健康を維持する働きがあります。白血球には好中球やリンパ球、単球、好酸球、好塩基球など、いくつかの種類があり、それぞれが異なる免疫機能を果たしています。
一般的に白血球数は1マイクロリットル当たり3000~9000個です。そのうち好中球が40~70%、リンパ球が20~50%、単球、好酸球、好塩基球は数%程度であることが多いといわれています」
Q.人によっては、健康診断で白血球の数が多いと指摘されることがあります。この場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。
澤口さん「白血球の数が多すぎる、いわゆる白血球増加症に陥った場合、主に次の4つの原因が考えられます」
■感染症や炎症の可能性
風邪やインフルエンザなど、ウイルスや細菌を原因とした感染症にかかった場合、体は病原菌と戦うために白血球を増やします。また、けがややけどのほか、膠原病(こうげんびょう)や炎症性腸疾患といった炎症性の疾患の場合も、体内での炎症に伴い、白血球が増加します。
これらは体の正常な防御反応で症状や病状が改善、安定すれば、白血球数が正常値に戻るケースが多いです。なお、ウイルスに感染すると白血球数が逆に減ることもあります。
■生理的要因や生活習慣
激しい運動や強い精神的ストレスがかかったとき、一時的に白血球数が増えることがあります。女性の場合、月経時に白血球が増えることもあります。
さらに、喫煙や肥満も体内で炎症が誘発され、白血球数が増加する原因となるので、注意が必要です。喫煙者や肥満体形の人は、慢性的に白血球の数値がやや高い状態になる傾向にあり、この場合、明確な症状がなくても白血球数が多い状態が維持されます。
■薬の影響やアレルギー反応
薬の副作用で白血球が増えることがあります。特にステロイド剤を服用すると、骨髄から白血球(好中球)が放出されるため、白血球数が増加します。
また花粉症やぜんそく、じんましんなどのアレルギー疾患がある場合は免疫反応の影響で白血球数が多くなることがあるほか、体に合わない薬を飲んだときも体の防御反応で白血球数が増えることがあります。これらの場合も病状の改善や適切に対処することで、白血球数が正常値に戻ることがあります。
■骨髄の機能異常
白血球は骨の中の「骨髄」という部分で作られます。白血病や悪性リンパ腫といった血液系の腫瘍がある場合、白血球数が増加する可能性があります。例えば、白血病では、異常な白血球が増殖し、正常な血液細胞が作られなくなることがあります。
「白血球の増加=免疫力の向上」というわけではありません。白血球が多いときは何らかの原因で体がストレスや攻撃を受けているサインと考えられます。
白血球数が1マイクロリットル当たり2万個以上と著しく多い場合、白血病をはじめとした血液の病気の可能性が高くなります。「健康診断で毎年、なぜか白血球数が多い」など、白血球数が多い原因がよく分からない場合は早めに内科を受診してください。












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