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冬は「ダイエット」に適した季節って知ってた? 冬太り解消に不可欠な5つの“鉄則”とは【糖尿病専門医に聞く】

冬に無理なく体重を減らす方法について、糖尿病専門医に聞きました。

冬に無理なくやせるコツは?(画像はイメージ)
冬に無理なくやせるコツは?(画像はイメージ)

 年末年始に太ってしまい、何とかして体重を減らしたいとランニングをしたり、ジムでトレーニングに励んだりしている人は多いと思います。ネット上では「冬は代謝が上がる」「冬は夏よりも太りやすい」という内容の情報がありますが、本当なのでしょうか。冬に無理なく体重を減らす方法について、豊洲内科・糖尿病/形成・美容外科クリニック(東京都江東区)院長で認定内科医、糖尿病専門医の澤口達也さんに聞きました。

活動量の減少が太る原因に

Q.ネット上では「冬は代謝が上がる」「冬は夏よりも太りやすい」という内容の情報がありますが、本当なのでしょうか。

澤口さん「『冬は代謝が上がる』はおおむね本当です。また『冬は夏よりも太りやすい』というのも確かです。この一見矛盾する現象には、医学的な『熱産生』の仕組みと、冬特有の『行動変化』が関係しています。順番に紹介します」

(1)冬に代謝が上がる理由
人間は恒温動物であり、外気温が下がると体温を36度前後に保とうとする働きが強まります。この働きを「ホメオスタシス(恒常性維持)」と言います。冬に代謝が上がるのは熱産生と褐色脂肪細胞の活性化の2つが挙げられます。

・熱産生(Thermogenesis)
寒冷刺激を受けると、交感神経が活発になり、体内で熱を作り出そうとします。この際、エネルギーが消費されるため、夏に比べて基礎代謝が向上する傾向にあります。

・褐色脂肪細胞の活性化
首回りや肩甲骨付近にある「褐色脂肪細胞」が、脂肪を燃焼させて熱を生み出す働きを活発にします。また寒さに慣れる(寒冷順化)ことで熱産生が増えることが示されています。つまり、生理学的なポテンシャルとしては、冬は痩せやすい環境と言えます。

(2)代謝が上がっても太ってしまう理由
代謝が上がっているにもかかわらず、冬に太る主な原因は、「摂取カロリーの増加」と「活動量の低下」のバランスの崩壊です。

・イベントによるカロリー過多
忘年会やクリスマス、正月、新年会と、年末年始は高カロリー、高脂質な食事や飲酒の機会が増えることが多いです。先述の通り基礎代謝が向上するとはいえ、消費カロリーとしてはわずかな差であり、1回の飲み会で1日に摂取してもよい総カロリー量を容易に上回ってしまう可能性が高いです。

・活動量の低下
冬は寒さや日照時間の短さから外出がおっくうになり、運動はもちろん、日常の生活活動強度(非運動性熱産生:NEAT)が著しく低下します。例えば、「こたつでミカン」という状態は、摂取カロリーが増える一方、消費カロリーを極限まで減らしてしまいます。

・セロトニンの低下
日照時間が短くなることで「セロトニン」というホルモンが不足し、過食、特に炭水化物を摂取したくなる状態を引き起こすケースもあります。

Q.「冬に太りにくくしたい」「冬に痩せたい」といった場合、どうすればよいのでしょうか。有効な取り組み、NGな取り組みについて、それぞれ教えてください。

澤口さん「冬の『代謝が高い状態』を味方につければ、本来は体重を落とすことも可能です。生活における具体的な行動を紹介します」

【有効な取り組み】
(1)食事:「冬仕様の食事設計」にする

・タンパク質を毎食しっかり取りましょう。

・野菜や海藻類、キノコ類など食物繊維が含まれた食べ物と汁物で、食事の最初に「かさ増し」をしましょう。

・お菓子や揚げ物の摂取は「禁止」にするのではなく、「週に〇回」と頻度を決めてルール化してください。もちろん普段食べていない人はあえて食べる必要はありません。

なぜ食事量を減らさない方がよいのかというと、冬は自然と摂取量が増えやすいため、我慢ではなく「食事の構造」自体を整える方が効果的だからです。タンパク質は満腹感を高め、筋肉量の維持にも役立ちます。

(2)活動:天候に依存しない「歩数」の確保
「屋内で30分から1時間早歩きをする」「エレベーターではなく階段を使う」「買い物の導線を長くする」など、外の寒さに左右されずに稼げる「歩数の下限」を守りましょう。冬は寒さで無意識に活動量が落ちやすいことが分かっています。「運動」以前に、日常の生活活動強度を維持することが重要です。

(3)運動:週2〜3回の筋トレ
短時間でもよいので、週2〜3回の筋トレを取り入れましょう。減量期や活動量が減る時期は筋肉も落ちやすくなります。筋トレで除脂肪量を守ることが、基礎代謝と見た目の維持に不可欠です。

(4)管理:毎日または週3回、体重を量る
毎日、あるいは最低でも週3回は体重計に乗り、自分の体重を把握しましょう。体重は日々変動するものですが、冬のイベント太りが「戻りきらない増加」として定着してしまうのを防ぐには、変化にいち早く気付いて早期修正する仕組みが最強の防御策です。

(5)睡眠:睡眠時間の確保
夜更かしを避け、十分な睡眠時間を確保しましょう。睡眠不足は食欲増進ホルモンを増やし、間食への欲求を高めてしまいます。睡眠は体重管理の土台(インフラ)と捉え、生活リズムを整えましょう。

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澤口達也(さわぐち・たつや)

医師、医学博士 豊洲内科・糖尿病/形成・美容外科クリニック院長

認定内科医として、日々、内科疾患を中心として幅広く診療を行っている。また糖尿病専門医、内分泌内科医として、糖尿病や肥満症、高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病、甲状腺疾患などを専門的に診療している。自身でもさまざまな食事療法やトレーニングを実践しており、過去にはアスリートフードマイスターや加圧トレーニングインストラクターの資格を取得。また現在、健康スポーツ医、格闘技イベントでのリングドクターとしても活躍中。豊洲内科・糖尿病/形成・美容外科クリニック(https://sawagucci.com/)。

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