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メールアドレスに「love」を使っている女性は離婚しやすい(下)

理想と現実のギャップに耐えられない

 以上、メールアドレスに「love」「happy」「sweet」「angel」を入れた女性の悲劇を紹介してきましたが、4人に共通するのは、いまだに「夢見る少女」を脱しきれずに、あまりにも理想が高すぎて、非現実的な世界に手を伸ばそうとして失敗していること。

 例えば、「love」の愛花さんは3人のかわいい子どもたちと愛にあふれた夫婦を、「happy」の幸恵さんは「いい奥さん」と呼ばれて幸せを感じられる家庭を、「sweet」の美姫さんは思春期でもパパと仲良しの娘、そんなほほ笑ましい光景に「甘くてとろけそうな」結婚を、「angel」の神楽さんは彼と一緒に最愛の天使(娘さん)を育む楽しい暮らしを夢見ていたのですが、現実は正反対でした。

 自分のメールアドレスに組み込まれている、前向きで幸せで、楽しそうな言葉…それはむしろ、彼女たちの足を引っ張っているのでは?! 例えば、愛花さんは義母が介入してきても、夫に対して「私とお母さん、どっちから選んで!」と迫らず、幸恵さんは夫が不満を挙げても「お互い様でしょ!」と言い返さず、美姫さんは夫のせいで食事を用意しなかったのに義母に口答えをせず、神楽さんは「少しは私のことも気使ってよ!」と言って夫の気を引くことなく、我慢に我慢を重ねたのですが、理想と現実のギャップに耐えられないので、目の前の出来事を見て見ぬふりをするしかないのです。

「~しなければならない」と勝手にプレッシャーを感じ、独り善がりな責任感を持って、夫そっちのけで一人で頑張りすぎるので、夫から「痛い女」だと思われ、ますますナメられた結果です。

 仮に「最悪でなければ、それで十分」と割り切り、当たり前の毎日の中に少しの満足感を見いだせれば、彼女たちの顛末(てんまつ)も変わっていたかもしれません。自分でメールアドレスに挿入した愛情も、「幸福」「甘美」「天使」という美辞麗句に踊らされ、「最高」を追い求める思考回路に縛られたのなら残念としか言いようがありません。

 もし、あなたのメールアドレスに「love」「happy」「sweet」「angel」が入っていた場合、4人の悲劇を反面教師にし、二の舞にならないように気を引き締めてください。

(露木行政書士事務所代表 露木幸彦)

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

行政書士(露木行政書士事務所代表)

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

注)離婚手続きに関して、個別事情を踏まえた離婚手続きや離婚条件に関する法的観点からの助言が必要な場合は弁護士に依頼してください。

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