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「持ち家」の男性は「賃貸」の男性よりも上手に不倫する(上)

不倫がバレると、離婚に至りやすい「賃貸派」

 第3の事実は、不倫発覚から1年以内の離婚率は、賃貸派(55%)が持ち家派(20%)の2倍以上だということです。なぜ、賃貸派は不倫が発覚すると離婚を強いられるのでしょうか。

 前述の通り、もしも「女=家」ならば、「入籍=登記」と置き換えることも可能です。例えば、35年の住宅ローンを組み、独身時代の貯金をなげうち、両親から頭金を出してもらって、ようやく手に入れた持ち家の住み心地は最高。手元の権利証は何度見ても愛らしく感じますし、「一国一城の主」のプライドは何者にも代えがたい。「終の棲家」として建てた家は特別ですが、入籍した女(妻)も特別な存在なのです。

 不倫上手は元々、妻と彼女を同時に愛することができる器用なモテ男。彼女に「どっちが大事なの」と聞かれたら、間違っても「君だよ」と口を滑らせないし、そのせいで逃げていく略奪愛思考の女を追いかけたりはしません。基本的に住宅ローンは1つの銀行で1人1本のみ。一部の例外を除き、2本目の住宅ローンを組むことは難しいものです。不動産を買ってもらった妻、買ってもらえない彼女…「妻>彼女」という上下関係を受け入れない彼女に、モテ男の「愛人」は務まりません。

 妻はただでさえ、入籍の事実によって彼女よりも上なのに、持ち家の存在によって上下関係はさらに際立ちます。だからこそ、彼女との関係を「本気ではなく遊び」と割り切り、夫を必要以上に責めたりせず、間違っても自分から離婚を切り出さないのです。

 そもそも、離婚に至る夫婦は、不倫の「事後処理」に失敗した場合だけです。例えば、「ただの友達」「一線は越えていない」「ちゃんと別れる」と軽口をたたけば、後日うそがバレるのは当然です。うそのせいで、取り返しのつかない事態(離婚)に発展するのは必然です。これは、妻ではなく彼女を選んだ薄情男の犯す典型的なパターン。一方、普段から妻を愛しているモテ男は妻にうそをつかず、素直に白状するので離婚につながりにくいのです。

 もちろん、たかが女との火遊びで「一国一城の主」の座を失うのは御免です。万が一、自分の不倫がきっかけで離婚すれば必ず慰謝料が発生しますし、持ち家は登記上「夫100%」でも、結婚期間中に築いた財産は夫婦の共有財産なので、財産分与における取り分は「夫50%、妻50%」です。「自宅の評価額=慰謝料の相場」だとすれば、自宅を手放すことになりかねません。そのため、家を失いたくない一心で「俺を捨てないでくれ」と平気で土下座するし、妻も夫の懇願を目の当たりにすれば離婚に踏み切りにくいのです。

 余談ですが、賃貸派の夫が不倫の事実を隠し切れず、妻は「もう別れる」と離婚する気満々だったのですが、夫が妻の怒りを鎮めるべく、マイホームを購入したケースがあります。住宅展示場の見学や間取りの検討、新しい家具の物色…と不倫のことはどこ吹く風。賃貸派から持ち家派に乗り換えることで妻の機嫌を取り、最終的に離婚を免れたのですが、これは賃貸派よりも持ち家派の方が離婚率が低いことを示す一つのエピソードです。

※「下」に続く

(露木行政書士事務所代表 露木幸彦)

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

露木行政書士事務所代表

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

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