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熱があるかも→「おでこ」で確認するのはどうして? 内科医に聞いて分かった“シンプルな理由”

熱の有無を、自分自身や他者の「おでこ」に触って確認する行為。どうして「おでこ」に触れるのでしょうか。さまざまな疑問を内科医に聞いてみました。

「おでこに触る」のはなぜ?
「おでこに触る」のはなぜ?

「熱があるかも…」と思ったとき、自分自身や他者の「おでこ」に触って確認したことがある人は多いと思います。しかし、なぜ「おでこ」に触れるのか、正確に判断できるのか…という疑問も浮かびませんか。実際のところについて、内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんに教えていただきました。

おでこは「外気の影響を受けやすい」部位

 市原さんによると、おでこに触れる理由には、部位の特徴が関係しているようです。

「おでこは表面に出ており、しかも手でちょうどカバーできる大きさなので、自然とおでこに触れて熱の有無を確認するようになったのではないかと考えられます」(市原さん)

 実際、おでこで測る体温計もありますが、市原さんは「おでこは表面に出ている分、外気の影響を受けやすいため、他の部位よりも正確性に欠けるといえるでしょう」と指摘。あくまで目安として判断した方がよさそうです。

 ちなみに、体温は測る部位によって異なり、「温度が比較的安定しているのは口の中や直腸」とのこと。しかし、いずれも特殊な体温計を用いる必要があり、あまり現実的ではないため、「一般的な体温計を使う際は、やはり『脇の下』で測るのがよい」ということです。

「平熱」と「微熱」って?

 ところで、そもそも「平熱」と「微熱」には、どのような基準があるのでしょうか。

 市原さんによると、一般的に「平熱」とは36.0度以上37.0度未満、「微熱」とは37.0度以上38.0度未満のこと。感染症法に基づく届け出基準では、37.5度以上が「発熱」、38.0度以上が「高熱」と定義されています。

 日本人の平均体温は36.89度とされていますが、35度台の人もいれば37度台前半の人もいるように、平熱の高さには違いがみられるといい、「個人差が大きい」ということです。

 体調に注意すべき目安となるのは「平熱よりも体温が1度以上高い」とき。市原さんによれば、「37.5度を超えていなくても、体内で発熱の原因となる炎症が起こっている可能性がある」とのことです。体調の変化や違和感にいち早く気付けるよう、日頃から自分の平熱を把握しておくことも大切ですね。

(オトナンサー編集部)

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市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

eatLIFEクリニック院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。eatLIFEクリニック(https://eatlife-cl.com/)。

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