男性の育休「1カ月以上完全取得」へ 積水ハウスが9月から制度導入、分割取得もOK
積水ハウスが、男性社員に1カ月以上の育児休業を必ず取得させる制度を9月から導入します。

積水ハウス(大阪市北区)は7月26日、男性社員に1カ月以上の育児休業を必ず取得させる制度を9月から導入すると発表しました。女性の社会進出が進んで共働き世帯が増加する中、男性も積極的に育児に参加できる環境を整えることで、社員の子育てを応援。優秀な人材の採用や定着につなげるほか、子育ての観点を重視した住まい造りなど、顧客への提案力向上を目指します。国内企業で、男性社員の長期間の育休取得を必須とするのは珍しい取り組み。
上司にも研修を行い、取得をサポート
対象となる男性社員は3歳未満の子どもを持つ1371人で、子どもの誕生から3歳に達する日までの間に、最低1カ月は育休を取得させます。配偶者の出産や職場復帰などに合わせ、育休を複数回に分けて取得することも可能。最初の1カ月は有休扱いです。制度活用の進捗(しんちょく)率を毎年公表し、「全社を挙げた取り組みで育休の完全取得を推進していきたい」(広報部)としています。
積水ハウスは2006年から「ダイバーシティ経営」を推進し、多様な人材が活躍できる職場作りを目指してきました。女性社員だけでなく、男性社員に対しても育休の取得を推進していますが、平均取得日数は2日(2017年度)にとどまっていました。
社員の意識改革を図るため、秋に対象社員と上司向けの研修を実施し、育休取得に向けて具体的な計画を立てられるようにサポートするとのこと。同社は「チームマネジメントを向上させ、仕事と育児の両立を支援できる体制を整えていきたい」(広報部)としています。
男性の育休取得率は少しずつ上昇しているものの依然低く、政府は2020年の男性の育休取得率13%を目標に掲げていますが、厚生労働省の調査によると、2017年度に育休を取得した男性は5.14%にとどまっています。
(報道チーム)
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