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美術館で鑑賞中に吐き気やめまいを感じる「スタンダール症候群」話題に、医師に聞く

美術館で作品を鑑賞中などにめまいや吐き気を感じる「スタンダール症候群」が話題に。その症状や対処法について医師に聞きました。

美術館でのそのめまいはもしかしたら…?

 教会や美術館で感じるめまいや頭痛、吐き気などについてSNS上で話題になっています。旅先でこうした症状を経験したことがあるという人によると、頭を後ろにそらして建造物や作品を見る時の、椎骨動脈圧迫による血栓が一因とされる「スタンダール症候群」。「美術館や教会などでは、あまり集中して上を向かないように気をつけてください」との呼びかけに「知らなかった」「美術品の溶剤じゃなくて姿勢の問題なんですね」といった声が上がりました。

 スタンダール症候群とは、どのような症状なのでしょうか。オトナンサー編集部では、医師の市原由美江さんに聞きました。

文豪スタンダールがイタリア旅行中…

Q.スタンダール症候群の名称の由来について教えてください。

市原さん「フランスの作家スタンダールがイタリアを旅行中、フィレンツェの聖堂で絵画を鑑賞していた時に突然めまいと動揺に襲われ、ぼう然としてしまった出来事について、イタリアの心理学者が外国人観光客の例も参考にしながら命名したとされています」

Q.スタンダール症候群の症状と原因はどのようなものでしょうか。

市原さん「症状としては、めまいや吐き気などです。頚椎には左右2本の椎骨動脈があります。スタンダール症候群は、首を後ろにそらすことで椎骨動脈が圧迫され、脳が一時的に虚血状態になることで起きます。長時間もしくは過度に首を後ろにそらすと症状が起きやすくなります。同様の姿勢になる美容室のシャンプー台で発症することもあります」

Q.美術館などで発症した時の対処法や予防法を教えてください。

市原さん「症状があったら、まずはすぐに頭を元の位置に戻し、できれば横になりましょう。発症を防ぐポイントは、首を後ろにそらす時間や頻度をなるべく少なくすることと、血流を促すために水分をたくさん摂取することです」

(オトナンサー編集部)

市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック副院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。

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