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妊娠・出産の経済学【必要になるお金】

分娩・入院費

 分娩・入院にかかる費用は平均42万円程度、その点を加味して、「出産育児一時金」として子ども1人につき42万円が支払われます。妊娠中に何の問題もなく、通常分娩で無事に出産できれば、助成金でまかなえるケースもあるようです。ただし、都心部では料金設定が高いところもあり、まかない切れないといった声も耳にします。

 しかし、出産する場所(総合病院、個人産院、助産院など)や出産方法、入院日数のほか、出産する時間帯や出産日などの細かな状況によって金額は驚くほど変わります。例えば、休日深夜に産まれた場合は10万円ほど加算されることも。希望しなくても状況によって緊急帝王切開や鉗子(かんし)分娩などの処置が取られることがありますが、その場合も金額は上がります。保険が適応されるケースもあるので過度な心配は必要ありませんが、さまざまな状況を念頭に、余裕を持ったマネープランを立てましょう。

 現在は、出産スタイルを自由に選び、プランを立てる「アクティブ・バース」が珍しくありませんが、それなりに費用がかかることも。無痛分娩や和痛分娩、水中分娩など出産時のスタイルのほか、陣痛から回復までを1つの部屋で行う「LDR」など、出産前後を含めた形式を選ぶことができます。

 出産は負担が大きく、非常に大切な出来事です。まずは自分の年齢や健康状態を考慮した上で、どのような出産をしたいか/できるかを考えましょう。

【金額例】
無痛分娩(和痛分娩):1~20万円
水中分娩:3万円前後~
LDR:20~100万円

かかるお金(目安)

出産育児一時金を使えば0~50万円

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加藤圭祐(かとう・けいすけ)

あおばコンサルティング代表取締役、1級FP技能士、宅建士

大手外資系生命保険会社にて11年間、個人・法人のコンサルティング業務に従事。2015年に株式会社あおばコンサルティングを設立。日本初の、チャットでのお金のサービス「みかづきナビ」を開始。現在ではzoomも活用し、FP相談や保険相談で顧客の課題解決に取り組んでいる。みかづきナビ(http://www.mikazuki-navi.jp/)。

冬城高久(ふゆき・たかひさ)

医療法人社団 冬城産婦人科医院理事長・院長

山口大学医学部卒業。慶應義塾大学産婦人科学教室入局後、慶應義塾大学病院ほか複数で勤務する。2003年に冬城産婦人科医院院長に就任、2012年から同院理事長を兼務。丁寧で的確な診療が人気で、各メディアでも活躍している。日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本女性医学会認定医、玉川産婦人医会会長、慶應義塾大学医学部客員講師。冬城産婦人科医院(http://www.fuyukilc.or.jp/)。

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