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「おじさん」「おばさん」呼称に衝撃受ける30代、悪意の表れと憤る34歳女性も

おい、めいができれば…

 次は「立場が人をつくる」に通じるケースです。親族間での呼び名である「おじ」(伯父、叔父)や「おば」(伯母、叔母)は年齢とは関係のない呼び方ですが、おいやめいが生まれて、その立場になることによって、年齢の意味を含む「おじさん」「おばさん」と呼ばれる覚悟ができていく人もいます。

 Cさん(32歳、女性)の姉に娘が生まれ、Cさんは「叔母(おば)」となりました。

「叔母ということはつまり、必然的に『おばさん』と呼ばれるということです。年齢としては全く、そのつもりはないのですが、私が(親族としての)『おばさん』になったのは動かぬ事実でした。『年齢と無関係な“おばさん”なのだ』と何度も自分に言い聞かせましたが、最初は『おばさん』という響きが想像以上に心に来るものがありました…」(Cさん)

 しかし、やがて、Cさんは苦しい心境を乗り越え、一つの境地にたどり着きます。

「姉は自分の子どもに私のことを『ねえねえ(姉々)ですよ~』と紹介して、気遣ってくれましたが、当初は『そうはいっても、私、実際は“おばさん”だし』とすねる気持ちがありました。散々、くよくよしていたのですが、時間がたつにつれ、徐々に『おばさんと呼ばれようと、若々しい“おばさん”ならいいじゃないか』と感じ始め、『おばさん上等!』と思えるようになりました。

もう少し年齢が上がれば、『叔母とめい』の関係の意味ではない、年齢的な意味での『おばさん』を自覚する日がくるのでしょうが、同年齢の他の人に比べ、『おばさん』と呼ばれるタイミングが早かったので、ラッキーだったと考えています。『若々しい“おばさん”を目指して日々を生きていこう』と今から、準備することができるからです」

“若々しい”なら、確かに、年齢と関係なく目指すことができますね。めいの誕生で“おばさん”と呼ばれる立場になったことはショッキングでしたが、Cさんはこれを前向きに乗り越えたようです。

 最後に、既に40代となった人に、30代の頃を振り返ってもらいましょう。Dさん(40歳、男性)はこう話します。

「30代の頃は『絶対に“おじさん”と呼ばれたくない!』と思っていたけど、40代になってみたら、楽なもので、『こういう自分もアリ』『おじさんと呼ばれてもいいかな』と自然に思えるようになりました。それに、実際に『おじさん』と呼ばれるようになっても、自分のどこかに若々しさみたいなものは必ずあるので、それを発見したとき、『俺もまだまだ捨てたもんじゃない』とうれしくなります」(Dさん)

 若い頃は必要以上に意識してしまう「おじさん、おばさん」という呼び方ですが、ある程度、年齢を重ねてしまうと気にならなくなるようです。40代から見れば、まだまだ若く、20代から見れば、だいぶ経験豊富に思える30代。当の本人たちはさまざまに思うところがあるようですが、その葛藤の積み重ねが年の功となっていくのかもしれません。

(フリーライター 武藤弘樹)

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武藤弘樹(むとう・こうき)

フリーライター

早稲田大学第一文学部卒。広告代理店社員、トラック運転手、築地市場内の魚介類卸売店勤務などさまざまな職歴を重ね、現在はライターとミュージシャンとして活動。1児の父で、溺愛しすぎている飼い猫とは、ほぼ共依存の関係にあるが本来は犬派。趣味はゲームと人間観察。

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