画面に突然「ウイルス感染」の警告…記載された電話番号に“絶対連絡してはいけない”ワケ
近年、「偽のウイルス検出警告」に関する相談が日本で増加しています。その見分け方と正しい対処法について、セキュリティーの専門家が解説します。

企業に対する不正アクセスにより、氏名や住所、電話番号などの個人情報が漏えいするケースが相次いでいます。
ところで、パソコンやスマートフォンでネットを閲覧していると、突然「ウイルスに感染しています」という警告画面が表示され、焦った経験はありませんか。実はこうした「偽のウイルス検出警告」に関する相談が日本で増加しています。IPA(情報処理推進機構)の2026年第2四半期の相談データによると、偽のウイルス検出警告は最も多い相談内容で、件数は1428件。前四半期から約23.7%も増加しています。
「恐怖心」をあおる
偽のウイルス検出警告は、画面の点滅、警告音、カウントダウン、繰り返し現れるポップアップなど、視覚と聴覚を使って実際以上に深刻な状況に見せかけることで、ターゲットをパニックに陥らせます。サイバーセキュリティーの専門家であり、NordVPN(オランダ)の最高技術責任者を務めるマリユス・ブリエディスさんは、こうした偽警告について次のように説明します。
「覚えておくべきいちばん重要なことは、パニック自体が攻撃の一部だということです。詐欺師は『反応できるのは数秒だけだ』と人々に信じ込ませようとします。恐怖に駆られたユーザーほど、疑うことなく指示に従ってしまうからです」
「サポート番号」に電話した瞬間、本当の危険が始まる
特に注意すべきは、警告画面に電話番号が表示され、「このページを閉じず、以下の番号にお問い合わせください」などと指示されるパターンです。電話をかけると「技術者」を名乗る人物が応対し、リモートアクセスソフトのインストール、パスワードの共有、金融情報の提供、不要なセキュリティーサービスへの支払いなどを要求してきます。カスタマーサポート担当者と話しているように思わせ、実際は個人情報や金銭を抜き取ろうとしているのです。
「ポップアップは注意を引くためのものに過ぎません。本当の操作は電話での会話から始まります。一度電話口に人を捕まえれば、詐欺師は話を調整し、信頼を築き、段階的により多くのアクセス権、情報、金銭を求めてきます」と、ブリエディスさんは語ります。
警告が表示されたら、実際にどうすべき?
万が一警告が表示されても、まずは慌てないようにしましょう。「表示された番号に電話しない」「警告をクリックしない」「何もダウンロードしない」「個人情報を入力しない」を徹底してください。そして、ブラウザのタブかブラウザ自体を閉じましょう。通常通り閉じられない場合は、アプリを強制終了するか、デバイスを再起動してください。
その後は、備え付けのセキュリティー機能や、自分で事前にインストールした信頼できるセキュリティーソフトで確認しましょう。OSとブラウザは常に最新の状態に保つことも大切です。
「ブラウザに予期しないセキュリティー警告が表示されたら、その警告が提示する解決策は使わないでください。警告を閉じ、すでに信頼しているセキュリティーツールやサービスを使って、独自にデバイスを確認しましょう」と、ブリエディスさんは提案します。
すでに電話してしまった場合はどうする?
偽の警告を見ただけ、あるいは閉じただけでは、必ずしもデバイスが侵害されたわけではない、ということをまず覚えておきましょう。一方、ソフトウェアをインストールした、ログイン情報や支払い情報を伝えてしまった、デバイスの遠隔操作を許可したなどの場合は、問題が深刻化する前に対策が必要です。
これらに該当するなら、まずはデバイスをインターネットから切断し、不正なリモートアクセスソフトを削除してください。別の信頼できるデバイスから重要なパスワードを変更し、多要素認証を有効化して、アカウントの不審な動きを確認しましょう。金融情報や金銭が関わっていた場合は、直ちに銀行や決済事業者に連絡してください。
「偽の警告を見ただけの状況と、見知らぬ相手にパソコンへのリモートアクセスを許した状況は、まったく異なります。詐欺師とやり取りしてしまった場合、ウィンドウを閉じただけで解決したとは考えないでください。デバイスとアカウントの保護が次の優先事項です」と、ブリエディスさんは強調します。
警告が表示されても決して慌てず、まずは立ち止まって確認しましょう。焦らずに行動することで、被害の多くは防げるはずです。
(オトナンサー編集部)









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