帝国ホテル「月額36万円」プラン、その狙いは? コロナ禍の生き残り戦略とは
ホテルが生き残るには?
コロナ禍で苦境に立たされたホテルが生き残る上で、どのような戦略が求められるのでしょうか。ホテルジャーナリストの高岡よしみさんに聞きました。
Q.コロナ禍でホテルの宿泊客数が減少する中、帝国ホテル(30泊31日36万円から)やホテルニューオータニ(30泊31日75万円から)などのように、月額の滞在プランを販売するホテルが増えています。ホテルの月額滞在プランのメリット、デメリットを教えてください。
高岡さん「利用客が一定期間滞在するため、ホテルの稼働率が上がります。それにより、ホテル内のレストラン、バーの収益改善も期待できます。また、月額プランは1泊当たりの料金が通常よりも安く設定されているため、宿泊客にとってもメリットがあります。特に、帝国ホテルが今回発売した月額36万円のプランは、フィットネスセンターやラウンジの利用などホテルのサービスも受けられて1泊1万2000円なので、富裕層向けのプランとしては『破格』といえるでしょう。
一方、帝国ホテルなどが月額プランを販売したことについて、『帝国ホテル』『ニューオータニ』といったブランド自体に価値を見いだすファンからは『安売りしないで』などの声も聞かれます。プランが安くなればなるほど、宿泊客のマナーが悪化する傾向があり、ホテルのブランド価値が低下するリスクもあるからです。
例えば、コンビニのレジ袋を提げたスエット姿の宿泊客が高級ホテルのロビーにいるのを、高級ホテルに憧れやステータスを感じている人が見たら、どう感じるでしょうか。興ざめする人が多いのではないでしょうか」
Q.コロナ禍で苦境に立つホテルが生き残るためには、どのような戦略が求められるのでしょうか。
高岡さん「コロナ禍で新たな顧客を獲得するためには、月額プランの販売だけでは不十分です。ホテルは観光やレジャーのための『泊まる場所』だけではなく、仕事場としての利用や宿泊を伴わない日帰り利用、今までにはない切り口での体験型イベントの開催など新たな利用価値を生み出す必要があります。
例えば、テレワークを導入する企業が増えましたが、設備の関係で自宅だと仕事がはかどらない人やオンライン会議が一日の大半を占めるようになった人もいます。そうした人たちに向けて、ホテル側が快適なネット環境や会議にも利用可能な防音性に優れた部屋、ルームサービス、クリーニングなどを提供すれば、新規顧客の獲得につながる可能性があります。
実際に、私の友人でイベント関係の仕事をしている人は大規模なオンライン国際会議の配信オペレーション基地として、ホテルの宴会場やスイートルームの利用を検討しているようです。そのような需要をうまく拾うことが非常に大切です」
(オトナンサー編集部)

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