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かつて“男女密会”報道も ホテルの「コネクティングルーム」、構造や目的・料金は?

家族旅行の際などにホテルの「コネクティングルーム」を利用する人もいるようです。どのようなホテルにあって、どのような人が利用しているのでしょうか。専門家に聞きました。

コネクティングルームとは?
コネクティングルームとは?

 新型コロナウイルスの国内の感染状況が落ち着いていることで、オミクロン株が気になりつつもこの年末年始、旅行を計画している人も多いと思います。家族旅行の際、ホテルの「コネクティングルーム」を利用する人もいるようですが、コネクティングルームとは、どのようなホテルにあって、どのような人が利用しているのでしょうか。

 かつて、首相補佐官(当時)の男性と女性官僚の宿泊でも話題となった部屋について、ホテルジャーナリストの高岡よしみさんに聞きました。

隣の客室と内側の扉で行き来

Q.コネクティングルームとは一般に、どのような目的で設置され、どんな構造になっているのでしょうか。

高岡さん「コネクティングルームは、同じような構造の隣同士の客室が室内の扉で、隣室とつながっている客室のことをいいます。コネクティングルームの特徴は室内の扉を両側から施錠できることです。

それぞれの部屋のプライバシーを保ちつつ、いちいち客室の外の廊下に出て、隣の部屋を訪ねなくても、すぐに行き来ができるため、VIPとその付き添いの随行員・秘書が主に利用します。例えば、海外の要人とそのSP(セキュリティーポリス)の利用が分かりやすい例です。要人だけでなく、親子2世帯のファミリーの利用もよく見られます。

ホテルによっては、主賓室と控室がコネクトしている場合もあります。例えば、主賓室70平方メートルに対して、控室50平方メートルといったイメージで、客室の広さに違いがある場合や、主賓室はスイートルームクラスの設備、控室はジュニアスイートクラスという場合もあります」

Q.どのようなホテルにあるのでしょうか。

高岡さん「コネクティングルームはビジネスホテルにはありません。政財界で活躍をされている人や海外から来日するVIPが宿泊するクラスのホテル、あるいはスイートルームを有しているクラスのホテルにはあります。また、リゾートホテルや旅館など、ファミリー層が多く利用する宿泊施設にもあります。

2世帯で旅行した場合、おじいちゃん・おばあちゃんと夫婦・子どもが分かれて宿泊する想定です。昼間の行動は2世帯一緒でも、夜はそれぞれ、のんびりしたいという場合にコネクティングルームの利用が便利です」

Q.男女の“密会”に使われることもあるのでしょうか。

高岡さん「利用目的は宿泊者によってさまざまなので一概には言えないです。単に男女の密会なら、コネクティングルームでなくてもよいと思います」

Q.人数が多い場合、大きな部屋を予約すればいい感じもしますが、ただの大きな部屋とコネクティングルームはどのような違いがあるのでしょうか。

高岡さん「人数が多い場合、一般的に利用するのはスイートルームですが、コネクティングルームとスイートルームの違いは例えれば、2世帯住宅かサザエさんの家かの違い、つまり、玄関が1つか2つかの違いです。コネクティングルームにはそれぞれに玄関となるドアがあるので、プライバシーを確保することができます」

Q.多客期などに、それぞれを別の部屋として、まったく関係ない人が使用することはあるのでしょうか。

高岡さん「あります。ホテル側としては、コネクティングルームとしての利用がない日や繁忙期は室内の扉を両側から施錠し、それぞれを単体の客室として予約を受けることがあります」

Q.ちなみに料金は一般的にどのくらいなのでしょうか。2部屋合わせた広さが同じくらいの部屋とコネクティングルームとでは、どう違うのですか。

高岡さん「金額はホテルのランクや客室の広さなどによって、まちまちです。いずれにしろ、政財界で活躍されている人や海外から来日するVIPが宿泊すると考えると、それなりの価格になります。2部屋をコネクティングルームとして利用することで、セット販売として割引価格で提供するホテルもあります。

コネクティングルームは、お互いの部屋を便利に行き来したい一方で、ゆったりした時間も過ごしたい、また、それができる人に利用されています」

(オトナンサー編集部)

高岡よしみ(たかおか・よしみ)

ホテルジャーナリスト、人材育成コンサルタント

有名ホテルに勤務し、顧客部フロアサービス課で接客サービスのスキルとホスピタリティーマインドを身に付ける。その後、モデルに転身し、オリエンタルで中性的な魅力を放つ独特の存在感が認められ、欧州やアジアのコレクションなどで活躍。出産後はハイエンドな舞台で磨かれた、相手を魅了するスキルを生かし、女性の美しさやマナーをテーマにした講演を行い、反響を呼ぶ。現在は研修講師として企業の新人や管理職研修を行うほか、ホテル・旅館や店舗運営のコンサルティングなども手掛ける。

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