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時間管理も片付けも 子どもは口ではなく“視覚”に訴えるとしつけやすい

子育てにおいて、「何度言っても聞かない」と悩むことはないでしょうか。何回も口を酸っぱくして叱るより、視覚に訴えてしつけた方が楽になるときがあります。

視覚に訴えると、しつけが楽に?
視覚に訴えると、しつけが楽に?

「百聞は一見にしかず」ということわざの通り、何回も口を酸っぱくして叱るより、視覚に訴えてしつけた方が楽になることがたくさんあります。

「朝やること」を写真で

「朝やること」を示した写真(筆者作成)
「朝やること」を示した写真(筆者作成)

 例えば、忙しい朝の時間を振り返ってみてください。「早く起きなさい!」「早く着替えなさい!」「早く食べなさい!」「早く歯磨きしなさい!」…子どもが幼稚園や保育園に登園するまでに「早く○○しなさい」と何度言ったでしょうか。そして、帰宅後も「早くお風呂に入りなさい」「早く寝なさい」など「早く」が延々と続きます。これだと、子どもは親の“号令”に条件反射して動いているだけ。つまり、自分で時間管理をしているわけではありません。朝の起床は目覚まし時計に任せてしまいましょう。

 さらに、朝、家を出るまでにやることを学校の時間割のように張っておくのも分かりやすいです。イラストではなく、子ども自身がその行動をしている写真を張っておくと効果的でしょう(私の息子は成人していますが、モデルになってもらいました)。時計を見ながら行動できることは、時間を自ら管理できることでもあります。小学校に入学するまでに時計が読めるようになっておくとよいですね。

きれいに片付けさせるには?

片付けなどの工夫
片付けなどの工夫

 次に、幼稚園や保育園での工夫です。一般的な道具箱には仕切りがないので、中が乱雑になりがちです。ある保育園では、中身が整理整頓された状態の写真を箱の裏に張っています。保育士がいちいち指示をしなくても、子どもたちが自分で写真を見て、整理整頓できるようになっているのです。

 私は長年、幼児教室で子どもたちの指導をしていましたが、「道具はきれいに置きましょう」と指示を出しても、下敷きやノート、筆箱を横一列や縦一列にきれいに並べてしまう子どもがいました。そこで、「大きい物から順に下から重ねましょう」と言いつつ、実物を順に重ねて見せながら、「これと同じように重ねてください」と伝えるとできるようになりました。

 また、子どもが玄関で靴をそろえないとき、「きちんと並べて」と言うだけではなかなかできないもの。そんなとき、玄関に足形を張っておくと、子どもは自然とその足形の上に靴をそろえて置きたくなるようです。こうすれば、左右を間違えて履くこともなく、一石二鳥です。写真の足形は手作りですが、同様のものは100円ショップでも手に入るようですよ。

 おもちゃも家庭で片付けに悩まされるものの一つです。元の場所、すなわち、おもちゃの“指定席”を子どもが目で見て分かるようにしておきましょう。戻すべきおもちゃを写真やイラストで張っておくと、さらに分かりやすくなります。

 ある組み立てブロックのおもちゃは、付属の箱形ケースの側面に内容物が写真で張ってある仕様なので、それを見て、「ブロックはブロックの箱に」片付ける子どもも多いです。この方法を家の中のおもちゃに応用しましょう。

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立石美津子(たていし・みつこ)

子育て本著者・講演家

20年間学習塾を経営。現在は著者・講演家として活動。自閉症スペクトラム支援士。著書は「1人でできる子が育つ『テキトー母さん』のすすめ」(日本実業出版社)、「はずれ先生にあたったとき読む本」(青春出版社)、「子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方」(すばる舎)、「動画でおぼえちゃうドリル 笑えるひらがな」(小学館)など多数。日本医学ジャーナリスト協会賞(2019年度)で大賞を受賞したノンフィクション作品「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」(中央公論新社、小児外科医・松永正訓著)のモデルにもなっている。オフィシャルブログ(http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/)。

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