あなたは何色? 色の「好き嫌い」はどうやって決まるのか
私たちの生活にあふれる多様な「色」の世界は実に奥深いものですが、「青が好き」「赤は嫌い」などのように、その人の「色の好き嫌い」はどのようにして決まるのでしょうか。カラーの専門家に取材しました。
「青は好きだけど赤は嫌い」などのように、人にはそれぞれ「好きな色」と「嫌いな色」がありますが、カラー&イメージコンサルタントの花岡ふみよさんによると、それは人間がその色に抱くイメージに違いがあるからです。
色を認識する脳の「扁桃体」
まず花岡さんによると、「赤いものは暖かそう」「青いものは冷たそう」といった具合に人間がその色に対して感覚や感情を持つのは、脳の「扁桃体」という部分が色を認識することによるものです。
この扁桃体には、人間が五感で受け取ったあらゆる情報が入ってきますが、色の情報を受け取ると、そこに「好き」「嫌い」「安心する」などの感情が加わります。これは元々、扁桃体が、人間が生存するための指令を出す部位であることに起因し、安全なものに対して「好き」「快い」などの感情が、危険なものに対しては「嫌い」「不快」などの感情が生まれることによるものです。
「食べ物と同様、色の好みも体験によって変化します。たとえば、着ていた服を褒められた経験からその服の色を好きになったり、昆虫を見て恐怖を感じた経験からその虫の色を嫌いになったりするのは、経験が深層心理に刻まれるためです。好きな色は正の体験から、嫌いな色は負の体験から形成されることが多いといわれます」(花岡さん)
人間は何度も見たものや触れたもの、経験した物事などを好きになる習性があるため、幼少時に親しんでいた色も好きになりやすいそうです。
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