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「鼻血」は夏に出やすいって本当? 大人で出やすい人は? 対処法も解説

子どもに多い印象がある「鼻血」ですが、大人も出ることがあり、戸惑う人が多いようです。季節との関係やマスクの影響などを医師に聞きました。

夏は鼻血が出やすい?
夏は鼻血が出やすい?

 子どもの頃、よく出ていたという人も多いであろう「鼻血」。年齢問わず、鼻血が突然出るとドキッとするものですが、中には「最近また、鼻血が繰り返し出るようになった」「暑いときに鼻血が出てしまう」など、大人になってから出る鼻血に悩む人もいるようです。

 ネット上では「子どもの鼻血と大人の鼻血は違うの?」「確かに夏場は出やすい気がする」「病気だったらと思うと怖い」といった声の他、「マスクで登下校している子どもがよく鼻血を出すようになった」など、コロナ禍によるマスク着用と鼻血の因果関係を気にする声もあります。

「鼻血」にまつわるさまざまな疑問について、内科医の市原由美江さんに聞きました。

粘膜が薄い部位からの出血

Q.そもそも、鼻血はなぜ出るのですか。

市原さん「鼻血の多くは、鼻の粘膜や血管が傷つくことで起こります。特に、鼻の左右の穴を仕切る壁の入り口部分である『キーゼルバッハ部位』と呼ばれる場所からの出血が多いです。この部分は粘膜が薄く、血管が集まっているため出血しやすいのです。

鼻をかむ、ぶつけるといった物理的な刺激の他、鼻炎などの鼻症状に伴って出血します。大人の場合、高血圧や血液・肝臓の疾患、鼻の奥の腫瘍、血液がサラサラになる薬を飲んでいる人にも起こりやすいです」

Q.「子どもの頃はよく鼻血を出していたが、大人になってからはほとんど出なくなった」という人が多いようですが、大人より子どもの方が出やすいのですか。

市原さん「鼻血は、10代以下と60代以上に多いという報告があります。子どもの鼻血は、鼻炎などの炎症、外傷や鼻を触る癖などの外部からの刺激、暑さによるのぼせなどが原因です。これらの刺激が子どもによくみられるためだと思われます。60代以上は、高血圧の人や血液がサラサラになる薬の服用者が多いためと考えられます」

Q.鼻血が出やすい人について教えてください。夏場に出やすくなるのは事実でしょうか。

市原さん「鼻を触る癖がある人や、鼻炎でよく鼻をかんだり触ったりする人は鼻血が出やすいでしょう。大人の鼻血は先述の通り、高血圧や血液・肝臓の病気、血液がサラサラになる薬の影響、鼻の奥の腫瘍などが原因で起こります。また、空気が乾燥する冬や気温の変化が大きい春に多い傾向があります。

子どもの出血はすぐに止まりやすいですが、大人は出血量が多かったり、止まりにくかったりすることがあります。また、夏場に出やすいのは事実ですが、多いのは、暑さでのぼせやすい子どもです。特に、今夏は大人も含め、マスクの着用で体内に熱がこもりやすくなる恐れがあります」

Q.鼻血と糖尿病には何らかの関係があるのですか。

市原さん「そうした話をよく聞きますが、実際には関係ありません。同様に『チョコレートを食べ過ぎると鼻血が出る』という話もありますが、血糖値と鼻血は関係ありません。強いて言うなら、糖尿病によって徐々に動脈硬化が進み、血管が弱くなっている人は鼻血が起こりやすくなる可能性はあります」

Q.高血圧などの自覚症状がないのに、大人になってからも鼻血が頻繁に出る場合、どのような原因が考えられますか。

市原さん「肝臓や血液の病気、鼻の奥の腫瘍などが隠れていることがあります。続くようなら、まずは耳鼻科を受診してください。鼻血が大量に出ている▽血がなかなか止まらない▽出血量は少ないが頻度が多い(毎日出る)――といった症状があれば、病院を受診すべきだと思います。耳鼻科で止血処置をしてもらいましょう。必要に応じて、原因となる病気が何かを調べてくれると思います」

Q.鼻血が出たとき(出そうなとき)の対処法、応急処置の方法とは。

市原さん「慌てずに、鼻をしっかりとつまんで、5分以上は座って安静にしてください(圧迫止血)。特に、子どもの場合、血液が鼻の奥から喉に降りてきて気道をふさいでしまう可能性もあるので、横にはならないでください。

また、鼻血が出たとき、鼻の穴にティッシュペーパーを詰める人が多くいますが、止血方法としては間違っています。まずはティッシュなしで圧迫止血をしてください。血液が漏れ出るので、それを外から拭くためにティッシュを使いましょう」

Q.鼻血を予防することは可能ですか。

市原さん「原因が特定されていない鼻血を予防することは難しいですが、夏場の暑さで出やすい場合、今の時期は可能な状況であれば、マスクを適宜外したり、温度調整をしたりして暑さ対策をするとよいでしょう」

(オトナンサー編集部)

市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック副院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。

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