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出社する管理職は不満? 「テレワーク」は今後も続くのか、現場社員たちの声

「交代制か、挙手制か」議論進む

 家電メーカーで営業職のCさん(33歳、女性)の勤務先も、Aさん、Bさんと同様、交代出勤制のテレワークが導入されました。

「現場社員のテレワークに対する評価は『よいところもあれば悪いところもある』です。普段は、オフィスで周りの社員とコミュニケーションを取りながら仕事しています。具体的には『商談の方向性を相談し、うまくいったら褒める、褒めてもらう。うまくいかなかったら、励ましたり、改善点を指摘したりする』などです。

自宅でも、商談は電話で滞りなくできますが、1人で黙々と仕事をすることになるため、特に商談がまとまらないことが続くと気分がふさぎがちになります。そのため、同僚は口をそろえて『普段の周りとのコミュニケーションがいかに大切かを知った』と言っています。

出社する必要がないのは楽で、その点は大いに気に入っていますが、今はすっかり、ほとんどの日がテレワークという日常に慣れてしまい、『週5の出勤に戻ったとき、きちんと出社できるのか心配』とみんな話しています」(Cさん)

 Cさんの勤務先では、「今後は9割の人が出社で、1割の人がテレワーク」という話になっていて、テレワークをする人の決定を「交代制にするか挙手制にするか」の議論が進められているそうです。

「挙手制なら、やりたいと思っている社員は多いと思うので結構な倍率になりそうです。ただ、うちの会社は見栄えを結構気にするので、『育児などで大変な人にとっても、働きやすい会社です!』というアピールとして、テレワークを運用しそうな雰囲気があります。その場合は挙手制でも、事情が認められた人に限ったテレワークということになりますね」(Cさん)

 今後、テレワークを導入していく企業がどれくらい増えるかは分かりませんが、少なくともコロナ禍以前よりは多くなりそうです。そして、テレワークが導入された企業では、経営者と従業員が新しい勤務形態の中で、新しい“仕事との向き合い方”を模索していくことになります。そうした現場では、今回の取材で聞けた話を参考にするなら、「新しいことが始まる期待感」と「慣れない業務フローによる戸惑い」のせめぎ合いが予想されます。

 テレワーク導入の成果を判断するには、各企業とも今しばらく様子見が必要で、「吉」と出るか「凶」と出るかというところですが、2020年が“日本人の働き方の転換期”となる可能性は十分あり得そうです。

(フリーライター 武藤弘樹)

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武藤弘樹(むとう・こうき)

フリーライター

早稲田大学第一文学部卒。広告代理店社員、トラック運転手、築地市場内の魚介類卸売店勤務などさまざまな職歴を重ね、現在はライターとミュージシャンとして活動。1児の父で、溺愛しすぎている飼い猫とは、ほぼ共依存の関係にあるが本来は犬派。趣味はゲームと人間観察。

geetara610@gmail.com

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