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どれでもいいの? 「退職願」「退職届」「辞表」の違いと使い分け方

突然の退職は認められる?

Q.漫画やテレビドラマなどで、突然、退職届を出して会社を辞める場面を見たことがある人も多いと思います。現実にやってよいことなのでしょうか。

木村さん「退職届を提出後、即日退職することについて法律では禁止されていませんし、会社は従業員の意思に反して労働を強制することはできないため(労働基準法5条)、扱いは可能です。

しかし、場合によっては会社側から損害賠償を請求されるなど、トラブルに発展する可能性があります。また、即日退職や、先述の民法の扱いでの退職は、会社や同じ職場で働いている従業員に迷惑をかけてしまうことにもなりかねず、その行為は社会人の常識として好ましいものではありません。

『以前から、退職の意思表示をしているにもかかわらず、会社が聞く耳を持たない』といったやむを得ない理由がない限り、即日退職などは避け、事前に準備を行った上で、できる限り会社を円満に退職するのがよいでしょう」

Q.これらの書類を提出したのに会社側が受理してくれなかったり、話を聞いてくれなかったりした場合、どうするのがよいでしょうか。

木村さん「昨今の人手不足の影響もあり、『退職の意思表示をしたにもかかわらず、会社側がなかなか応じてくれない』との話をよく聞きます。

民法(627条1項)では、雇用契約に期間の定めがない場合、退職日の14日前までに意思表示をすれば退職は可能で、この場合は就業規則等の規定や会社の事情などよりも優先されます。ただし、雇用契約に期間の定めがある場合は原則、契約満了日まで退職できません。

また、退職の意思表示を行う届け書は直接渡すだけではなく、メールや郵便で送付することも可能です。送付方法としては『直属の上司や人事課長、社長宛てにメールを送る』『郵送の場合は配達証明付き内容証明郵便で送付する』などがあります。

会社側から『退職することを聞いていない』『退職届を受け取っていない』との理由で退職をほごにされないよう、意思表示をしたことの証拠として、届け書が確実に会社の担当者に届くようにしましょう」

(オトナンサー編集部)

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木村政美(きむら・まさみ)

行政書士、社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー

1963年生まれ。専門学校卒業後、旅行会社、セミナー運営会社、生命保険会社営業職などを経て、2004年に「きむらオフィス」開業。近年は特にコンサルティング、講師、執筆活動に力を入れており、講師実績は延べ700件以上(2019年現在)。演題は労務管理全般、「士業のための講師術」など。きむらオフィス(http://kimura-office.p-kit.com/)。

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