親権、養育費、面会…悪妻と離婚後、男性にのしかかる6つの「悲劇」
別居の時点で離婚は決定的に
(6)住宅ローン
カップルが同居の末に結婚、子どもを授かり、第2子、第3子と家族が増えたり、子どもたちが成長して大きくなり、自分の部屋を欲したりするタイミングでマイホームを購入し、賃貸アパートから持ち家へ移り住む…一見すると、心温まるほほ笑ましい光景ですが、「住宅ローン付きの不動産」は夫婦が離婚する上で重荷にしかなりません。
例えば、妻が育児ノイローゼに陥り、夫婦げんかが絶えず、「しばらく、あんたの顔は見たくない」と言い出したため、夫は一時的に実家へ避難したのですが…。
ほとぼりが冷めた頃に自宅へ戻ろうとすると、すでに鍵を交換されており、妻からは「もう関わらないでほしい!」と一蹴され、夫は離婚を決断せざるを得なかったのですが、8年前に3800万円で購入したマイホームは3000万円しか値がつかず、800万円も住宅ローンが残ることに…しかし、夫は800万円もの大金を持ち合わせておらず、融資してくれる金融機関も見当たりません。
そして、自宅を賃貸に出そうにも賃料は10万円しか期待できず、住宅ローンの返済額は毎月12万円なので、毎月2万円の赤字を垂れ流すことになります。
さらに、妻が家族カードを使って毎月10万円を夫の口座から引き出しており、その上で住宅ローンも引き落とされるので、手取り25万円の夫の手元に残るのはわずかに3万円。もし悪妻と離婚できたとしても、「養育費+住宅ローン」という二重の負担を強いられるようでは今と変わらないので、景気よくマイホームを購入し、一国一城のあるじになったせいで、離婚を切り出すことができないという堂々巡りに陥ってしまったのです。
ここまで、離婚の悲劇として、親権、養育費、面会、そして、婚姻費用、慰謝料、住宅ローンについて紹介してきましたが、どう思われましたか?
男性は離婚によって失うものが大きすぎるので、離婚回避に向けてあらゆる努力をしなければなりませんが、妻子が一度出て行くと遅かれ早かれ離婚に至ります。別々に暮らし、ほとんど連絡をせず、お金だけ送るという生活は別居も離婚も同じです。別居と離婚の違いは戸籍だけですが、戸籍が同じでも離婚同然の生活なら、籍を入れておいても仕方がありません。
つまり、別居の時点で離婚が決定的なのだから、「勝手に出て行ったら、子どもだけ連れ戻すし、親権も渡さない。生活費は送らないし、慰謝料を請求されて困るのはそっちの方だろう」とくぎを刺し、別居を阻止することが、不本意な形で離婚しないための第一歩です。
(露木行政書士事務所代表 露木幸彦)
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