見た目そっくり! 「CT」と「MRI」は何が違うのか
筒状の丸い機械に体を入れて、輪切りにするように内部を検査する「CT」と「MRI」――。今回は、一見しただけではわからない、両者の違いを学びましょう。

病院で受ける代表的な画像検査といえば「CT」と「MRI」。いずれも、丸い機械に体を入れて“輪切り”にするように検査する方法ですが、両者の違いとは何でしょうか。
オトナンサー編集部では、医師の髙田女里さんに聞きました。
CTは安価、しかし放射線被ばくも
髙田さんによると、まずCTは「Computed Tomography(コンピューター断層撮影)」の略で、エックス線を利用して身体の内部を画像化する検査です。心臓や肝臓などの臓器や大動脈、気管などの検査に適しています。
CT検査の長所として挙げられるのが、検査時間の短さ。「撮影時間は5~10分程度で済むことが多く、また、安価に撮影できるのもメリットです」(髙田さん)。ただし、放射線による被ばくというデメリットがあり、軽いものだと皮膚の炎症など、重い場合はがんの発症などのリスクもあります。
一方、MRIは「Magnetic Resonance Imaging(磁気共鳴画像)」の略で、磁気の力を利用して撮影する検査です。脂肪や筋肉などのいわゆる軟部組織に適していると言われています。
MRI検査の長所は、磁気を使用するため放射線による被ばくの心配がないこと。ただし、ペースメーカーや脳動脈瘤(りゅう)の治療でクリップが体内にある患者さんなどは、検査できないことがあります。また検査費用が高く、撮影に30分以上かかるデメリットもあります。
CT検査に適した病気としては、鼻骨骨折や脳腫瘍、大動脈瘤、肝臓がんなどが挙げられ、MRI検査については、脂肪腫や椎間板ヘルニア、初期の脳梗塞、子宮がん、前立腺がんなどがあります。
(オトナンサー編集部)
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