オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

足の「小指の爪」 大人になり小さくなる理由とは? “戻す方法”も形成外科医に聞いた

大人になって、足の小指の爪が小さくなる人がいるようです。なぜ、足の小指の爪が小さくなることがあるのでしょうか。形成外科医に聞きました。

小指の爪が小さくなるのはなぜ?
小指の爪が小さくなるのはなぜ?

 足の小指の爪を見たとき、以前よりも爪が小さくなったと感じる人がいるようです。ネット上にも「大人になってから足の小指の爪が小さくなり、爪を切りにくくなった」「小さ過ぎて恥ずかしい」という声が見られます。なぜ、大人になって、足の小指の爪が小さくなることがあるのでしょうか。形成外科医の高田女里さんに聞きました。

地面からの「圧」が関係

Q.大人になって、足の小指の爪が小さくなることがあるのは、なぜでしょうか。

高田さん「原因は幾つかあります。例えば、(1)小さな靴を履くことによる圧迫で小指が親指側に曲がり、『く』の字状に変形する内反小趾(しょうし)が起きている(2)自分の足よりもサイズが大きい靴を履くことにより、靴の中で足がずれて小指にダメージを与えている(3)爪を切り過ぎて深爪になっている(4)ビタミンやタンパク質などの栄養が不足している(5)歩くときのバランスがよくない(6)水虫になっている―などが挙げられます」

Q.どのような人が大人になってから、小指の爪が小さくなりやすいのでしょうか。

高田さん「ハイヒールや爪先のとがった靴を履く人です。また、大きなサイズの靴を履くことで、靴の中で足がずれてしまい、地面からの圧を足の指がしっかりと受けられない人も、足の小指の爪が小さくなります。

なぜなら、足は歩いたときに地面からの圧を均等に受けることで爪が真っすぐ生えるからです。寝たきりの人やその他の理由で歩行が困難な人は、小指の爪が小さくなっていることがあります」

Q.小指の爪が小さくなったことに気付いても、特に痛みなどの自覚症状がなければ、そのままにしておいて大丈夫なのでしょうか。あるいは治療、矯正した方がよいのでしょうか。

高田さん「先述したように、小指の爪が小さくなる原因は、よくないことばかりです。無症状であっても放置はよくありません。靴のサイズを見直すことや、歩き方を改善すること、爪切りで深爪にならないようにすることなどの必要があります。

小指の爪が割れる、巻き爪になっている、痛みがある、炎症が起きているようであれば、治療や矯正が必要になります。形成外科や皮膚科、爪専門のクリニックの受診をお勧めします。ただし、短すぎる爪は治療が難しいので、ある程度伸ばしてから治療することになります」

Q.自然に、小指の大きさに比例した爪に戻ることはないのでしょうか。

高田さん「小指の爪が小さくなって何もしなければ、爪はずっと小さいままでしょう。自然に元の大きさに戻ることはまずないと考えられます」

Q.爪の大きさに戻す方法について、もう少し詳しく教えてください。

高田さん「まずは靴のサイズや種類を見直し、小指にも地面からの圧が均等にかかるような歩き方に改善することです。靴では、足指が圧迫されない『げた』が一番よいといわれています。

その他にも、5本指ソックスを履いて内反小趾を防ぐ、保湿をしっかりする、血流をよくするためにマッサージをするなどの対策で、きれいな足の小指の爪が生えてくる可能性が高くなります」

(オトナンサー編集部)

1 2

髙田女里(たかだ・めり)

医師(形成外科)・医学博士(法医学)

1980年8月15日生まれ。慶応義塾大学法学部法律学科の憲法ゼミで学んだ後、医師を目指して秋田大学医学部へ学士編入。医師免許取得後、2年間研修医として各科を回り、その後、法医学分野の博士号を取得した。日本形成外科学会会員、日本美容皮膚科学会会員、日本熱傷学会会員。

コメント