ニキビのようで、手術することも? 「粉瘤」って何? できやすい人、予防法も解説
「ニキビだと思っていたら、粉瘤で、手術してもらった」というツイッターの投稿が話題になっています。ニキビのように見えて、手術をすることもあるという「粉瘤」とは、何なのでしょうか。

「ニキビだと思っていたら、粉瘤(ふんりゅう)で、手術してもらった」というツイッターの投稿が話題になっています。ニキビのように見えて、手術をすることもあるという「粉瘤」とは、いったい何なのでしょうか。形成外科医の高田女里さんに聞きました。
「アテローム」「アテローマ」とも
Q.粉瘤とは何でしょうか。
高田さん「粉瘤は『アテローム』『アテローマ』ともいい、皮膚の下に袋状の構造物『嚢腫(のうしゅ)』ができ、本来、皮膚から剥げ落ちるはずの角質と皮脂が袋の中にたまってできる腫瘍の総称です。たいていは良性腫瘍で、体のどこにでもできますが、顔や首、背中、耳の後ろなどにできやすい傾向があります。数ミリから数センチの半球状のしこりで、押すとドロドロとした物質が出てくることもあります」
Q.良性腫瘍ということですが、悪性化することもあるのでしょうか。
高田さん「粉瘤は悪性化することはほとんどありませんが、細菌が侵入して、化膿(かのう)することがあり(炎症性粉瘤)、この場合、患部が赤く腫れ上がって、痛みを伴います。軽い炎症なら抗生物質で治まりますが、化膿がひどく、うみがたまった状態の場合は表面を少し切開して、うみを出します。一方、赤みや痛みを伴わない場合はメスを使って、粉瘤を表面の皮膚ごと切り取る外科的切除手術をします。粉瘤が大きくなければ、局所麻酔での日帰り手術が可能です」
Q.手術をするということは痕が残るのでしょうか。特に顔や首の場合は心配です。
高田さん「手術の痕が気になるかもしれませんが、粉瘤の手術は表面皮膚の切開を最小限にして、皮膚の下の粉瘤のみ摘出することができるため、傷痕は小さく目立たなくなります。粉瘤は良性腫瘍なので、切除するかしないかは自由ですが、放置すると炎症を起こしたり、大きくなったりするものもあります。ある程度以上の大きさのものは切除した方がよいでしょう」
Q.粉瘤ができやすい人の傾向というものはあるのでしょうか。
高田さん「男女比はほぼ2対1で男性に多くみられますが、これはあくまで統計的なもので、男性が多い理由は不明です。遺伝性はないようです。年齢による違いも特になく、11歳くらいから83歳くらいまで、幅広い年代で症状がみられます」
Q.粉瘤は予防できるのでしょうか。
高田さん「予防法は体を清潔に保つことです。傷からできることが多いので、体をなるべく傷つけないことも予防法になると考えられます。ひげそりやムダ毛処理の際などは注意するとともに、傷ついたら、早急に適切な治療や保護をすることが大切です」
(※小諸厚生総合病院外科、同病理診断科「粉瘤症例の検討」を参照)
(オトナンサー編集部)
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