子どもの「偏食」は“わがまま”ではない 見た目や食感などが原因に
食べられるものから少しずつ
先述したように、偏食は子どもの好き嫌いという感情面が原因と思われがちですが、こうしたさまざまな感覚の違いに起因することが多いのです。加えて、特定の場面や人が相手だと、緊張して食べられないなどの精神的な問題が絡むケースもあります。
ここで挙げたような形で「子どもの苦手」を正しく理解することで、どのように対処すればよいか分かりやすくなり、支援もしやすくなります。
一方で、これらを考慮することなく「普通はこれ食べられるよね」という形で食べることをすすめてしまうと、うまくいきません。人によって「普通」は異なると心得ることが大切です。
そして、何よりも大切なのが周りの理解です。いまだに教育現場では「食べられないのはわがまま」という価値観のもと、食べられないことを受け入れられないケースも多くあります。しかし、食べられないものをいくら無理に食べさせたところで、そのときはたまたま口に入れたとしても、結果的にもっとその食べ物が嫌いになる可能性があります。
また、食事時間や給食時間などを想像しただけで、「また無理やり食べさせられたらどうしよう」という予期不安が起きてしまい、食事を楽しむどころではなくなってしまうかもしれません。
「食事は楽しいもの」というベースがなければ、食が進むことはあり得ません。食べられないものがあってもよい。その上で、今食べられるものから少しずつ、食を広げていこうという姿勢がとても大切です。
(日本会食恐怖症克服支援協会 山口健太)
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