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流行早かった「インフルエンザ」、警報レベルゼロはなぜ? 新型肺炎対策の影響も?

インフルエンザは今シーズン、例年より早く流行期入りしましたが、最近の患者数は少ないようです。なぜでしょうか。

インフルエンザ患者が少ないのはなぜ?
インフルエンザ患者が少ないのはなぜ?

 今シーズン、例年より早く流行期入りした「インフルエンザ」ですが、2月7日の国立感染症研究所の発表では前週より患者報告数が減少し、1医療機関当たり報告数は14.11、注意報レベル(10)は超えているものの、警報レベル(30)にはほど遠く、警報レベルに達している都道府県がゼロという状況です。ちなみに、昨年2月上旬は44都道府県で警報レベルに達していました。

 なぜ、今シーズンはこのような推移を示しているのでしょうか。「新型肺炎(COVID-19)対策が影響しているのでは?」との見方も含めて、内科医の市原由美江さんに聞きました。

暖冬、新型肺炎対策が影響の可能性

Q.インフルエンザの疑いで受診する患者は、実際に少ないのでしょうか。医療現場の実感として、今シーズンの患者数の推移も含めて教えてください。

市原さん「インフルエンザで受診する人は年明けに増えましたが、1月末から、すでに減ってきている印象です。同時に、風邪で受診する人も減っている印象があります」

Q.なぜ少ないのでしょうか。「新型コロナウイルスの感染対策が影響しているのでは?」との声もあるようですが。

市原さん「暖冬の場合、ウイルス感染は減る傾向にあるので、今シーズンが暖冬であることの影響があると思います。それに加えて今年は、新型コロナウイルスの影響もあると思います。手洗いの徹底やマスクの着用など新型コロナウイルス対策を実践している人が多いことが、インフルエンザや風邪の予防にもなっているのではないでしょうか。

さらに、暖冬の影響で花粉の飛散が例年よりも早いため、花粉症の症状予防にマスクを着用する人が増えていることの影響もあると思います。また、今シーズン接種されたインフルエンザワクチンが、今年流行しているインフルエンザウイルスに対応していたことの効果も考えられます」

Q.インフルエンザのピークは例年、どの時期でしょうか。2月上旬がピークとすれば、このまま終息していく可能性はあるのでしょうか。

市原さん「例年、1月下旬から2月上旬にピークを迎えるので、今後は終息していく可能性が高いと思います」

Q.インフルエンザの減少に新型コロナウイルス対策の影響が考えられるとのことですが、そうであれば、毎年同様の対策をすることでインフルエンザも減少することになりますか。

市原さん「十分考えられます。皆が感染予防に努めることで、インフルエンザの流行拡大を抑制することができるでしょう」

Q.今後のインフルエンザ対策として、どのようなことに注意すればよいでしょうか。また、新型コロナウイルス対策としてどのようなことに注意すればよいですか。

市原さん「どちらも、手洗い、うがい、マスクなどをすること、人混みに出ないことと、規則正しい生活をして免疫力を低下させないようにすることが大切です」

(オトナンサー編集部)

市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

eatLIFEクリニック院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。eatLIFEクリニック(https://eatlife-cl.com/)。

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