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娘が進学校をやむなく退学、43歳女性に立ちはだかった養育費2万円の壁

通信制にも希望を見いだせず、高校退学を決断

 娘さんは、金銭的に苦しむ桃さんを助けたい一心でアルバイトを始めたのですが、進級に必要な単位が足りず、このままでは留年せざるを得ません。桃さんはそれでも、高校を卒業させてあげたいので、授業料を払えそうな通信制へ転入を提案したのですが、大学進学が絶望的な通信制に希望を見いだせず結局、高校を退学する決断をしたのです。

 ところで新算定表によると、離婚時(13歳)の養育費は毎月9万円が妥当な金額です。桃さんの場合(月7万円)より2万円多ければ、娘さんは塾に通って大学へ進学し、正社員として就職する道が開けていたのでは、と残念でなりません。

 もちろん、算定表は14歳以下、15歳以上で金額が分かれています。娘さんは離婚時13歳、相談時16歳でした。旧算定表でも、13歳時の養育費は月7万円、16歳時は月9万円が妥当な金額です。

 法律上、事情変更による見直しは認められているのですが(民法880条)、桃さんのように、精神的な理由で元夫へアプローチできないケースも多いです。途中で増額するのが至難の業なので、離婚時、どのような金額を設定するのかが極めて重要で、今回の改正で救われる一人親、そして子どもが増えることを願うばかりです。

 なお、「うちは子どもがいないから関係ないでしょ」と人ごとのように素通りするのは危険です。今回、養育費算定表だけでなく婚姻費用算定表も改定されました。婚姻費用は、別居中の夫婦の生活費のことです。例えば、夫の年収が900万円、妻が専業主婦の場合、今までは月13万円でしたが、これからは月15万円なので、子どもがいないのに月2万円増額されています。

 報道では増額の理由として、「子どものスマートフォンの普及」「子どもの教育費の増加」を挙げています。なぜ、子どもがいない家庭でも増額されたのか定かではありませんが、いずれにせよ、子連れの妻だけでなく妻がもらえる金額も増えたのは確かなのです。

(露木行政書士事務所代表 露木幸彦)

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

露木行政書士事務所代表

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

コメント

2件のコメント

  1. 金銭は母子家庭だけではない。両親揃っていても困窮している家庭はある。
    進学も出来ない家庭も見てきた。
    自分は祖父が費用を出してくれたので恵まれていたとは思う。
    しかし、本気なら奨学金制度もある。
    甘えるなと言いたい。
    税金は裕福でない人間も払っている。
    手取り金額見たときの悔しさ。
    こんなコラム見ているとしみじみ思う。
    投稿している人間のつまらないエゴだな。

  2. 父親はひどいと思うけど、もう2万円あればうまくいくとは思えない。
    高校進学できないほどの金欠ならともかく、周りがみんな塾に行ってるからやる気なくして中退って、、、
    甘ったれてると言えるかどうかは分からないけど、それが幼少時からの家庭環境に一因があるとすれば、少なくともお金の問題じゃないよね。