オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

ウイルスにさらされ…診察する医師がインフルエンザにかかることは? その対策は?

病院や診療所に連日、インフルエンザ患者が訪れる時季です。診察している医師の側が、インフルエンザにかかることはないのでしょうか。

医師がインフルエンザにかかることも?
医師がインフルエンザにかかることも?

 インフルエンザの流行が広がっています。病院や診療所には連日、患者が訪れ、医師はせきやくしゃみをする患者と日々接していると思います。いわば毎日、ウイルスにさらされている状態ともいえますが、医師はインフルエンザにかからないのでしょうか。内科医の市原由美江さんに聞きました。

マスクは1日10回交換

Q.インフルエンザの診療に当たる医師が、インフルエンザにかかることはないのでしょうか。

市原さん「かかることはあります。医師に限らず、看護師など医療従事者も、患者さんと同様にかかることがあります」

Q.医師がインフルエンザにかかった場合、休診になってしまうのでしょうか。

市原さん「インフルエンザであれば、かかった医師本人は休まざるを得ません。病院の体制によりますが、代診の医師がいなければ休診になります」

Q.医師はインフルエンザ対策として、どのようなことをしているのですか。

市原さん「インフルエンザワクチンの接種は必須です。マスクは正しく装着し、頻繁に交換します。交換は1日10回くらいですが、患者さんが多ければさらに増えると思います。風邪やインフルエンザの患者さんを診たときは、その都度手洗いをするのに加え、可能な限り机周りのアルコール消毒を行います。

また、仕事中に使うものとプライベートで使うものを別にしています。例えば、診療中に自分の携帯電話や手帳、ペンなどは触りません。また、自分の顔、目や鼻なども決して触りません。ウイルスが付着するのを避けるためです。

さらに、乾燥するとインフルエンザに感染しやすくなるので、診察室の加湿をしたり、頻繁に水分摂取をしたりすることで喉の乾燥を防ぎます」

Q.医師が「インフルエンザにかかったかもしれない」と思ったときは、別の医師の診察を受けるのでしょうか。

市原さん「医師が1人の開業医であっても、自分が勤務している医院でインフルエンザの検査ができます。ただし、薬は医師が自分自身に処方することはできないため、別の医師に処方してもらうことになります」

Q.インフルエンザ以外にも、風疹、はしか(麻疹)、ロタ(感染性胃腸炎)などさまざまなワクチンがありますが、すべて接種しているのでしょうか。また、医師としてのワクチン接種の義務はあるのですか。

市原さん「すべて接種しているわけではありません。ワクチン接種の法的義務はありませんが、それぞれ所属している医療機関での決まりに従って接種することになります」

Q.ノロウイルスの場合、ワクチンはないと聞いています。どのような予防策や対策を行っているのでしょうか。

市原さん「病院の体制にもよりますが、ノロウイルス感染が疑われる患者さんの場合、他の患者さんとは別の部屋に待機してもらい、医師がその部屋に出向いて診察することがあります。また、患者さんには、不用意に周囲のものを触らないようにしてもらいます。医師は診察後、せっけんでしっかりと手洗いをします。病院内で嘔吐(おうと)、下痢があった場合は、次亜塩素酸ナトリウムで消毒します」

Q.ちなみに、医師が風邪をひいた場合は。

市原さん「風邪の場合、本人がマスクをしていれば患者さんに感染することはないので、医師によって、あるいは症状によって対応が異なると思います。例えば、熱があって診察するには厳しい体調であれば、休診します」

(オトナンサー編集部)

市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック副院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。

コメント