風邪のひき始め…喉痛や咳に「チョコレート」が効くって本当? 喉に逆効果の声も…
ネット上に、「チョコレートが風邪のひき始めの症状緩和に効果がある」という声があります。その真偽やいかに。
11月に入って気温が下がり始め、周囲でも、喉の違和感を訴えたり、ゴホゴホと咳(せき)をしたりするなど、風邪のひき始めと思われる人も増えてきました。ネット上では、こうした症状を緩和するために「チョコレートが効果的」という声がある一方、「喉が痛いときにチョコを食べてはいけない」という声もあります。風邪とチョコレートの関係について、内科医の市原由美江さんに聞きました。
脂質が潤滑油の代わりに?
Q.風邪のひき始めで喉が痛いときに、チョコレートを食べても大丈夫なのでしょうか。
市原さん「チョコレートには、脂質が多く含まれています。それが潤滑油の代わりとなり、一時的に喉の調子がよくなる可能性は考えられますが、科学的根拠はありません。風邪のひき始めにチョコレートを食べても問題はありませんが、あえて食べる意味はないかもしれません」
Q.チョコレートは、喉以外にも風邪のひき始めの症状に効くとの声があります。
市原さん「チョコレートに含まれるカフェインやテオブロミンという成分は、気管支を拡張させる作用があるため、咳に対する効果がある可能性はあります。しかし、チョコレートの種類や摂取量により効果が違うため、一概には言えません」
Q.チョコレートは、昔は薬として使われたこともあると聞きます。ポリフェノールが多く含まれる点などが健康によいともされていますが、風邪に有効な部分はないのでしょうか。インフルエンザなどの感染症に対してはいかがでしょうか。
市原さん「カカオポリフェノールには、静菌や殺菌作用があるとの報告があります。細菌感染による風邪には有効な可能性はありますが、風邪の90%はウイルスが原因です。また、インフルエンザはウイルスによる感染症なので効果は期待できないでしょう」
Q.「脂質が多い食べ物は免疫を低下させ風邪を悪化させる」というネット上の記事もありますが、チョコレートを食べることで風邪が悪化することはあるのですか。
市原さん「脂質を多く取ると、体内の栄養バランスは悪くなります。しかし、すぐに免疫力が変化するというわけではありません。風邪をひいているときにチョコレートを食べたとしても、風邪の悪化とは関係ないと思います」
Q.チョコレートを食べることを別にして、風邪のひき始めにできる対策を教えてください。
市原さん「しっかりと水分補給をし、バランスのいい食事で栄養バランスを整えること、睡眠をしっかり取ることが基本です。風邪のひき始めや喉の痛みに対して有効な漢方薬もあるため、早めに病院で相談することもおすすめです」
(オトナンサー編集部)
コメント