長男にしてやられた父の遺産争続教訓に…母が長女に残した「遺言」の意味(下)
遺言に財産目録を添えるメリット
(5)後から、別の遺産が出てくるのを防ぐことができる
「後から、私の知らない証券が出てきたので弱ってしまいました」
和歌子さんは当時、慌てふためいたようですが、調停調書には財産目録が添えられておらず、夫の「全財産」を把握していませんでした。調停調書には「ここで挙げた以外の財産は妻が相続する」という一文があったのですが、他の財産を見つけるたびに憎き長男に報告しなければならないのかと思うと、気がめいるのも無理はありません。
筆者は「長女が振り回されないよう、遺言には財産目録をつけたらどうでしょうか」とアドバイスしたのですが、後から別の財産が出てくると、長女は長男と相続の話し合いをしなければなりません。残された長女が二転三転しないよう、遺言には財産目録を添付し、一つ残らず財産目録に盛り込みました。これで、長女は漏れなく財産を名義変更することができて安心です。
遺言公正証書
本職は遺言者・福留和歌子の嘱託により、証人*****、*****の立会の上、次の遺言の趣旨の口述を筆記しこの証書を作成する。
第1条 遺言者は財産のうち4分の3(豊橋市流山町4-19に所在する土地、建物を含む)を名古屋市中区下落合1-31-4 クレールマンション401 武田沙織に、4分の1を豊橋市流山町4-21 福留哲也に相続させる。
第2条 武田沙織が相続した豊橋市流山町4-19に所在する土地、建物は武田沙織の判断で処分して構わない。
第3条 武田沙織が相続した動産のうち、仏壇を除き、武田沙織の判断で処分して構わない。
第4条 本書遺言の執行者として以下の通り、指定する。
住所 名古屋市中区下落合1-31-4 クレールマンション401
氏名 武田沙織
第5条 遺言の執行者の報酬を金100万円とする。
本旨外要件
会社員 遺言者 福留和歌子
上記遺言者は本職と面識がないので、法定の印鑑証明書をもって、人違いでないことを証明させた。
上記遺言者及び証人に読み聞かせたところ、各自筆記が正確なことを承諾し、以下にそれぞれ署名捺印する。
遺言者 福留和歌子
証人 *****
証人 *****
この証書は民法969条第1号乃至(ないし)第4号の方式により作成し、同条5条に基き本職が次の署名する。
*********************
**地方法務局 公証人****
財産目録
1.不動産
<土地>
所在 豊橋市流山町 地番 4番19 地目 宅地 地積 197.00平方メートル
<建物>
所在 豊橋市流山町 4番地19 家屋番号 4番19 種類 居宅
構造 木造スレートぶき2階建 床面積 1階 64.00m2 2階 54.18平方メートル
2.預貯金
豊橋銀行 流山支店 普通預金 355755 本証書作成時点で3085万1698円
ゆうちょ銀行 記号280 番号784521 本証書作成時点で50万1581円
豊橋信用金庫 流山支店 普通預金 002587 本証書作成時点で3万445円
3.保険
かんぽ生命保険株式会社 証券番号 第785145号 受取人 武田沙織
毎日生命保険相互会社 証券番号 ACE-89684 受取人 武田沙織
4.負債
なし


コメント