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インフルエンザ、例年より早い流行 学級閉鎖も…子どものワクチン接種、早めるべき?

毎年12月ごろに流行が始まるインフルエンザですが、今年は、まだ気温が高い時期から感染が拡大しています。ワクチン接種を前倒しした方がよいのでしょうか。

今年はワクチン接種を急ぐべき?
今年はワクチン接種を急ぐべき?

 毎年10月になると、冬に備えて各地でインフルエンザワクチンの接種が始まります。一般的に、インフルエンザの本格的な流行は冬場とされますが、今年は2学期開始早々に、インフルエンザによる学級閉鎖をする学校が出たり、東京都が流行期入りを発表したりするなど流行の時期が早まり、まだ気温が高い時期から感染が拡大しています。このような場合、子どものインフルエンザワクチン接種を前倒しで行った方がよいのでしょうか。内科医の市原由美江さんに聞きました。

夏に流行するのは珍しい

Q.まだ気温の高い時期から、インフルエンザが流行しているようです。これほど早く流行するのは珍しいのですか。

市原さん「夏にインフルエンザが流行することは珍しいですが、過去にも例はあります。フィリピン、ベトナム、タイ、カンボジアなどの東南アジアでは、インフルエンザが夏に流行する地域もあります。日本でも通常は冬に流行しますが、冬以外の時期にも、少ないですが患者さんは存在します。

つまり、年間を通してインフルエンザウイルスは存在し、感染する患者さんもいるわけです。夏休みに旅行などで海外に行ったり、逆に観光客が来たりして人の行き来が流行の一因となった可能性もあります」

Q.現在の流行がじわじわと続くことで、本格的な流行期に例年より感染が拡大する可能性はありますか。

市原さん「10月からは、インフルエンザワクチンの接種が行われる時期になります。また、今回の流行は全国的ではなく、地域がある程度限られているため、流行期の感染が例年より拡大するとは言い切れないと思います」

Q.限定的とはいえ、今年は通常よりも2カ月近く流行が早まっている地域があります。例年の流行期(12月など)に合わせて、子どもにインフルエンザワクチンを接種させようと考えている保護者は、接種を早めた方がよいのでしょうか。

市原さん「流行の開始時期が早まったとしても、インフルエンザワクチンの接種を早める必要はないです。ワクチンの効果が持続するのは3~5カ月です。流行の時期が早まったからといって、接種する時期を早めても、その分効果が切れる時期が早くなります。通常の流行期に合わせたワクチンの接種で十分です」

Q.インフルエンザワクチンの接種は、とても多くの医療機関で行われています。近所に複数の医療機関があった場合、何を基準に選んだらよいのでしょうか。

市原さん「どこの医療機関であっても、インフルエンザワクチンは同じものを使います。そのため、医療機関による差はありません。ただ、待ち時間や費用などを考えると、総合病院よりは診療所やクリニックで接種する方がよいと思います」

Q.「インフルエンザは冬の病気だから、夏にはかかるわけがない」と多くの人が考えていると思います。こうした認識は、今後は変えた方がよいですか。

市原さん「今後は変えた方がよいと思います。繰り返しになりますが、インフルエンザウイルスは年間を通して存在します。夏にかからないと認識されているのは、医療機関では一般的に、夏にインフルエンザに似た症状があったとしても検査をしないことが多いため、インフルエンザと認識されないことが多いからだと思います」

(オトナンサー編集部)

市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック副院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。

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