26年連れ添った夫と熟年離婚、原因は“あおり運転”もする夫のキレやすい性格
男友達からかかってきた電話にキレて…
「最近、婚約破棄をした」という工藤春江さん(36歳、仮名)が入会面談にやってきました。大手相談所で出会った吉田剛司さん(36歳、仮名)と婚約し、成婚退会したのですが、先月、その婚約を解消したのだといいます。
「前の結婚相談所では、約2年間活動していました。ですがお見合い後、交際には入ってもまめに連絡をくださる方が少なくて。1週間に1回、2週間に1回程度の連絡だと、こちらのテンションも下がってしまう。私から積極的にLINEを入れても、レスポンスが来るのは3、4日後。『この人は本当に結婚相手を探しているのかな』『それとも、私に魅力がないのかな』と考えてしまうことが多かった。そんなときに、剛司さんに出会ったんです」
剛司さんは、とにかくまめだったといいます。
「LINEは、ほぼ毎日来ました。あと、デートのときに、私には一切お金を使わせないし、とても紳士的な方だったんです。そんな人は初めてだったので、5回目のデートで真剣交際に入り、あっという間に結婚を決めてしまいました」
プロポーズは、夜景のきれいなレストラン。「記念に」と、ダイヤのネックレスもプレゼントしてもらいました。
「あのときは夢心地でしたね。こんなに幸せでいいのかしらって」
ところが、結婚相談所を成婚退会した後から、だんだん彼の違う一面が見えてくるようになったというのです。
「ちょっとしたことでイライラする人だな、怒りやすい人だなというのは、お付き合いを始めた当初から感じていたんです。ただ、付き合いも浅かったので『仕事でストレスをためているのかな。結婚したら私が彼に寄り添って、穏やかな生活を2人で築いていったら、イライラすることもなくなるだろうな』と思っていたんです」
そして、婚約してからは、お互いの一人暮らしの家を行き来するようにもなりました。
「あるとき、彼の家で2人で夕食を食べていたら、大学時代のゼミで一緒だった男友達から電話がかかってきたんです。気が置けない仲間で、私のことを『ハル』と呼んでいた。その彼の声が、携帯から漏れたんだと思うんです」
男性からの電話。しかも、その男は自分の婚約者を、まるで彼女のように「ハル」と呼び捨て。春江さんが電話で話していると、剛司さんが箸を下ろしながら、「バンッ!」と勢いよくテーブルをたたいたそうです。
「その音に、まずびっくりしました。そして、もっとびっくりしたのは、顔が鬼の形相になっていたんです。話していた電話を『ごめんね。またかけるね』と切ったんですね。そうしたら『またかけるだあ? 俺のいないところでコソコソ話すのか、オリャ?!』って、自分が食べていたパスタのお皿を手で払いのけ、トマトソースとパスタが床にぶちまけられました」
そこからはもう怒りが収まらず、椅子を蹴り倒したり、クッションを壁に向かって投げたりと、大暴れ。部屋の中がめちゃくちゃになってしまったそうです。
「私の父は声を荒らげて怒るような人ではなかったので、最初は怖くて恐ろしくて、体が固まって動けなくなりました。でも、このままいたら殺されるかもしれないと思って、持ってきたバッグをつかんで玄関に向かったんです。前をふさがれて出られないようにされましたけど、こっちも必死ですから、力任せに彼を押しのけて逃げ帰ってきました」
その夜の出来事を両親に言うと、両親は結婚に大反対。春江さんも、彼の鬼の形相と暴れている姿が脳裏から離れず、婚約解消に至ったといいます。
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