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宇多田ヒカルさん「無料で使って…」 音楽教室は著作権料を支払う必要があるのか

「教える」ためには「聞かせる」ことが必要

 一方、業界団体などは「教室は教育目的であり、聞かせることが目的ではない」と主張していますが、この主張は認められるのでしょうか。

 岩沙さんによると、著作権法22条は「聞かせることを目的として」と規定していますが、これを唯一の目的としているわけではなく、「聞かせること」が目的に含まれていれば、その他の目的があったとしても同条に該当すると考えられます。音楽教室は、受講生に音楽を「教えること」が目的ですが、そのためには、音楽を演奏して「聞かせること」が必要であり、「聞かせること」も目的に含まれます。

 岩沙さんは「『教育目的だから、聞かせる目的ではない』とは言えません。したがって、業界団体側の主張が認められる可能性は低いでしょう」と話しています。

(オトナンサー編集部)

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岩沙好幸(いわさ・よしゆき)

弁護士

東京弁護士会所属。慶應義塾大学経済学部卒業、首都大学東京法科大学院修了。弁護士法人アディーレ法律事務所。パワハラ、不当解雇、残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物好きでフクロウを飼育中。近著に「ブラック企業に倍返しだ!弁護士が教える正しい闘い方」(ファミマドットコム)。「弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ」(http://ameblo.jp/yoshiyuki-iwasa/)も更新中。頼れる労働トラブル解決なら<http://www.adire-roudou.jp/>。

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