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「ヘルパンギーナ」患者が急増中! 原因や予防法、よく似た手足口病との違いは?

手足口病とよく似た「ヘルパンギーナ」という夏風邪が流行しています。どのような病気なのか、手足口病との違いを含めて医師に聞きました。

ヘルパンギーナは高熱が特徴だ
ヘルパンギーナは高熱が特徴だ

 日本全国で手足口病の流行警報が発令されています。そうした中、手足口病と症状がよく似た「ヘルパンギーナ」という夏風邪も、患者数が増加し、三重県や山口県では警報基準値を上回る地域も出始めているそうです。このヘルパンギーナとは、どのような病気なのでしょうか。保育園や幼稚園は、何日間くらい休むべきなのでしょうか。内科医の市原由美江さんに聞きました。

「ヘルペス」+「アンギーナ」

Q.「ヘルパンギーナ」とは、どのような病気ですか。

市原さん「ヘルパンギーナは、主に『コクサッキーウイルス』というウイルスに感染することで、発熱や口の中に水疱性の発疹ができる病気です。英語の『ヘルペス(水疱)』『アンギーナ(のどの炎症)』という2つの言葉が合わさってできています。6~8月にかけて乳幼児に流行するのが特徴で、喉が痛くなるため、子どもは食事や水分が取りにくくなり嫌がります」

Q.手足口病とヘルパンギーナは、症状がよく似ているといわれます。違いは何ですか。

市原さん「手足口病は発熱の程度が軽く、平熱か微熱で治る人がいますが、ヘルパンギーナは通常、38~40度くらいの高熱が出ます。また、両者とも発疹が出ますが、手足口病はその名の通り手足や口の中にできるのに対し、ヘルパンギーナは口の中のみに発疹ができます。見分け方は、高熱が出るかどうか、口以外にも発疹ができるかどうかです」

Q.手足口病とヘルパンギーナはそれぞれ、幼稚園や保育園をどれくらい休まなければならないのでしょうか。

市原さん「手足口病もヘルパンギーナも、インフルエンザなどとは異なり、登園禁止の期間は決められていません。熱が下がり、水分や食事を取れて元気になれば、登園するのが一般的です。ただ、熱が下がってもウイルスは体内におり、約1カ月間は便からウイルスを排出します」

Q.なぜ今年、手足口病とヘルパンギーナが流行、あるいは流行しつつあるのですか。両者に関係性は。

市原さん「手足口病とヘルパンギーナの原因となるウイルスは両者とも、『コクサッキーウイルス』をはじめとする『エンテロウイルス属』が多いです。さらに、例えば、同じ『コクサッキーA型ウイルス』の中にもいろいろな種類があり、その種類によって手足口病の症状が出たり、ヘルパンギーナの症状が出たりします。今年は、原因となる『エンテロウイルス属』のウイルスが広がっていることで、両者とも流行していると考えられます」

Q.手足口病やプール熱は、多くの一般人が聞いたことがあると多いと思いますが、ヘルパンギーナはあまりなじみがありません。なぜでしょうか。

市原さん「夏風邪の代表的な病気は、手足口病、ヘルパンギーナ、プール熱の3つです。医師の立場からすると、ヘルパンギーナは昔からある病気なので珍しくはありません。一般の人が聞き慣れていないのは、メディアがこれまでどれくらい報道したかどうかの影響があると思います。今回はヘルパンギーナも流行したため、ニュースなどで目に触れることが増えたのでしょう」

Q.ヘルパンギーナの感染を防ぐためにできることは何ですか。もし感染した場合は、薬を飲んで治療するのでしょうか。

市原さん「ヘルパンギーナはウイルス感染で起こります。感染経路は、せきやくしゃみで飛散した唾液で感染する飛沫(ひまつ)感染、唾液や鼻水が付着した手で親を触って感染する接触感染です。基本的な手洗いやうがいで予防するほかありません。特別な治療薬がないので、熱に対する解熱剤などの対症療法になります。便からも感染するので、保育園児の排せつ物の処理をするときは、保育士は注意が必要です」

(オトナンサー編集部)

市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック副院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。

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