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“当て逃げ”謹慎、ノンスタ井上裕介さんに自動車保険は適用されるのか

罰の軽減には慰謝料が必要?

 しかし当て逃げの場合、こうしたことと逆の現象が発生します。「逃げた」という心理的要因が重なり、たとえ「8-2」の事故でも、逃げた側は「私が全部悪い」と認めざるをえません。また、逃げられた側も「逃げておいて8-2とは何事だ」ということで感情的に「10-0」になってしまいます。

 こうした場合に困るのは保険会社です。あくまで事故は事故、当て逃げは当て逃げですから、「8-2」の場合は80%しか補償できません。補償の金額が少ない時などは、大目に見て100%を負担することもありえますが、補償金額が大きくなった場合、20%は個人で負担してもらうことになります。

 今回の事件は、報道を見る限りタクシーも動いているので、一般論としては「10-0」ではなく「8-2」「9-1」になる可能性が高いでしょう。しかし直接会って謝罪までしている以上、今さら「そちらにも責任がある」とは言えません。

 また当て逃げは刑事罰の対象で「1年以下の懲役または10万円以下の罰金」が課せられます。よほど悪質でなければほとんどの場合は罰金で済みますが、このような「軽減」を求めるには事故被害者から警察への「嘆願書」などが有効です。弁護士などから被害者に、このような依頼を行うにあたっては慰謝料を支払う場合があります。

 つまり井上さんの場合、実際の責任割合に関係なく100%の補償を行い、保険会社が応じない場合は差額を自己負担し、さらに慰謝料が必要になる可能性も高いのです。

 しかし、このような金銭的な面より社会的ペナルティーの方が深刻で、今さらながら、当て逃げの“代償”の大きさを知る思いがします。

(株式会社あおばコンサルティング代表取締役 加藤圭祐)

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加藤圭祐(かとう・けいすけ)

株式会社あおばコンサルティング代表取締役

外資系大手のプルデンシャル生命保険で11年間コンサルティング業務に従事。個人顧客700人、法人顧客30社を開拓。2015年4月に株式会社あおばコンサルティングを設立。インターネット上で保険情報サイト「みかづきナビ(http://www.mikazuki-navi.jp)」と、ライフプランニングやお金に関わるコラム「みかづきナビメディア(http://www.mikazuki-navi.jp/blog)」を運営。日々お客様のライフプランニングや執筆・講演活動などを精力的に行う。

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