花粉症がツライ…実は「腸内環境」が原因? 免疫バランスを整える食事とは【専門医解説】
「花粉症と腸内環境」の関係は?
Q.「花粉症と腸内環境」の関係について教えてください。発酵食品を食べ始めてから、実際に鼻水や目のかゆみといった症状に変化が出るまでに、どれくらいの期間が必要だと考えればよいでしょうか。
安江さん「食事改善は即効性があるものではありません。腸内細菌叢は数日で完全に入れ替わるわけではなく、生活習慣や食事内容の影響を受けながら、徐々に変化していきます。早い人では2〜4週間ほどで体調の変化を感じることもありますが、多くの場合は1〜2カ月以上の継続が必要と考えられます。
免疫の過剰反応が落ち着くまでには時間がかかります。また、花粉の飛散量が多い時期には刺激が強く、食事だけで症状を抑え切れないこともあります。そのため、『食事で完全に治す』というより『症状が悪化しにくい体をつくる』『薬の効果を補助する』と考えるのが現実的です。
理想は、花粉シーズンが始まる前から腸内環境を整えておくことです。継続が何より大切であり、無理のない範囲で続けることが重要です」
Q.粘膜を強化するビタミンAを効率よく摂取する方法について、教えてください。
安江さん「ビタミンAやベータカロテンは脂溶性のため、油と一緒に取ることで吸収率が高まります。具体的には『油で炒める』『ノンオイルではないドレッシングを使う』『ごまやナッツなど脂質を含む食品と組み合わせる』といった工夫が有効です。
先述のようにビタミンAには、動物性食品に含まれるレチノール、植物性食品に含まれるベータカロテンの2種類があり、レチノールは体内での利用効率が高く、ベータカロテンには抗酸化作用があるという特徴があります。どちらか一方に偏るのではなく、レチノールが含まれている魚類や肉類と、ベータカロテンが含まれている緑黄色野菜をバランスよく取ることが理想的です」
Q.花粉症の時期、「食べ過ぎると、炎症を助長したり鼻詰まりを悪化させたりする可能性がある」という意外なNG食材はありますか。
安江さん「花粉症の時期に『絶対に食べてはいけない食品』は基本的にありません。しかし、体質や摂取量によっては、症状を悪化させる可能性のある食品はいくつかあります。
まず代表的なのがアルコールです。アルコールには血管拡張作用があり、鼻粘膜の血管も拡張させます。その結果、鼻詰まりが悪化しやすくなります。また、ワインやビールなどの醸造酒にはヒスタミンが比較的多く含まれていますが、ヒスタミンは花粉症の症状の原因物質でもあるため、症状が強い時期は摂取を控えめにするのが無難です。
次に注意したいのが、精製糖を多く含む食品です。清涼飲料水や菓子類、白いパンなどを過剰に摂取すると血糖値が急上昇し、体内で炎症反応が促進されやすくなります。また、糖分の過剰摂取は腸内環境を乱す可能性があり、免疫バランスにも影響を与えることがあります。完全に禁止する必要はありませんが、花粉症の時期は取り過ぎないことが重要です。
さらに、高脂肪の加工食品も注意が必要です。揚げ物やトランス脂肪酸を多く含む加工食品は、慢性的な炎症を助長する可能性があります。ファストフードやスナック菓子は、摂取頻度を控えめにするのが望ましいでしょう。
また、花粉と似たタンパク質を含む食品が原因で生じる口腔(こうくう)アレルギー症候群にも注意が必要です。スギ花粉症ではトマト、シラカバ花粉症ではリンゴやモモなどを食べたときに、口の中にかゆみや違和感が出ることがあります。生で症状が出やすく、加熱すると軽減する場合が多いため、心当たりがある人は食べ方を工夫するとよいでしょう。
重要なのは、『一律に避ける』のではなく、『自分の体で悪化を感じるものを把握する』ことです。バランスの取れた食事を基本に、アルコールや糖分の取り過ぎを控えることが、花粉症シーズンを乗り切る現実的な対策と言えます」
(オトナンサー編集部)






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