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優柔不断なO型夫に愛想が尽きた34歳女性、性格を利用して離婚に成功した方法(上)

離婚の話を切り出すと夫は…

 まず、娘さんの親権ですが統計上、離婚全体のうち母親が親権を持つケースは約8割に達しているので(平成23年度、厚生労働省・全国母子世帯等調査結果報告より)、ただでさえ明子さんは有利な立場。しかも、夫は学童の引き取り、宿題の補助、病院への送迎、学校行事への参加、病気の看病、習い事の管理など子育ての一切を明子さんに丸投げし、ワンオペ育児を強いていたのに、今さら「俺が引き取る!」とは、口が裂けても言えないでしょう。それでも、A型の明子さんは「念には念を入れて」という感じで想定問答集を用意しておいたのです。

 例えば、夫が「俺が学童に迎えに行けばいいんだろ!」と言い出したら「仕事で出張のときはどうするの?」と言い返す。「俺が病院に連れていけばいいんだろ! 付き添って看病すればいいし」の場合は「急病のときはどうするの? この前もインフルのときはうつされたくないって言って何もしなかったじゃない! うつされたらしばらく寝込むし、体調が悪いのに看病するのはどれだけ大変か。あれだけ仕事を休むのを嫌がっていたし、結婚してから皆実のために休んだことはないのに!」。

「学校の行事に会社を休んで参加するから大丈夫!」の場合は「行事がいくつあるか分かっているの? 一人で全部出席するなら授業参観や運動会、文化祭、個人面談、引き渡し訓練だけでも月1回のぺースで休まないといけないのに…今年だって文化祭しか来なかったでしょ?!」という具合に。

 次に養育費ですが、明子さんの希望額は3万円。現在、夫は毎月の手取り18万円のうち、6万円しか家に入れておらず、残りの12万円は使い放題というわがままぶり。しかも、離婚に応じれば明子さんへ渡す金額は6万円から3万円へ下がり、その分、小遣いが増える計算です。

 もちろん、妻子の存在はプライスレスで離婚によって失うものはあまりにも大きいはず。しかし、夫には人生全体を長い目で見るほどの余裕はなく、目先のことしか考えていないので「使える金が増えてラッキー」と軽いノリで二つ返事する可能性は十分ありますが、明子さんは「そんなにうまくいくわけない!」と悲観的に考えていたようで…。

 明子さんは裁判所のサイトを隈なく閲覧していたところ、家庭裁判所が公表している養育費算定表を発見したのです。例えば、夫の年収が400万円、妻が350万円、子1人(15歳以下)の場合、養育費は毎月3万円が妥当な金額だそうで裁判所のお墨付きは心強いです。A型とO型では別の人格なので、明子さんの個人的意見だと思われているうちは、いくら正論を言っても夫に信じてもらえないでしょう。しかし、法律の公式的見解だと分かれば話は別です。いよいよ夫も観念して受け入れるしかないでしょう。

 そして、明子さんは娘さんが寝静まったのを見計らって「大事な話があります」と夫を呼び出し、恐る恐る離婚や親権、養育費の話を切り出したのですが、夫は「おお、分かった」という感じで明子さんの要望を丸のみしたのです。

「下」に続く

(露木行政書士事務所代表 露木幸彦)

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

露木行政書士事務所代表

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

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