日中に強い眠気…「睡眠時無呼吸症候群」かも 放置すると命の危険も 医師に聞く発症の原因&治療法
睡眠時無呼吸症候群を見分けるポイントは?
Q.自分が睡眠時無呼吸症候群かどうかを見分けるにはどうしたらよいのでしょうか。
加藤さん「睡眠時無呼吸症候群の大きな問題点の一つは、『本人が気付きにくい』ことです。次のポイントに注意することで、早期の気付きにつながります」
(1)家族やパートナーの協力を得る
家族に自身の就寝中の様子を録音、録画してもらうと、いびきのパターンや呼吸が止まっている様子が確認できます。とくに「いびきが途中で止まり、その後、あえぐように呼吸を再開する」などの様子があれば、受診をおすすめします。
(2)日中の眠気をチェック
「エプワース眠気尺度(ESS)」という問診票で、どの程度眠気を感じているかを自己評価できます。合計スコアが11点以上なら、医師に相談することをおすすめします。
(3)医療機関での検査
・アプノモニターを使った簡易検査:自宅でできる検査で、アプノモニターと呼ばれる機械を使い、酸素濃度や呼吸の状態を記録します。
・精密検査(ポリソムノグラフィー:PSG):脳波や筋電図なども含めた1泊の検査で、診断の確定に必要です。
1時間当たりの無呼吸、低呼吸の合計回数である「AHI」(無呼吸低呼吸指数)が5回以上で睡眠時無呼吸症候群と診断され、5~15回を軽症、15~30回を中等症、30回以上を重症と診断します。
Q.睡眠時無呼吸症候群は治る病気なのでしょうか。対処法や治療法について、教えてください。
加藤さん「睡眠時無呼吸症候群は完治が難しい場合もありますが、適切な治療によって症状を大きく改善することが可能です。治療の選択肢は患者の病態に応じて異なります。
軽症の患者さんは、肥満を解消したり、生活習慣を見直したりすることで症状が改善することもありますが、中等度や重症の患者は、より積極的な治療が必要となります」
(1)経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)
鼻に専用のマスクを装着し、機器で空気を一定の圧力で送り続けることで、気道がふさがるのを防ぐ治療法です。中等症、重症の睡眠時無呼吸症候群に対して最も有効で、睡眠中の無呼吸を劇的に改善します。
機器は小型で旅行にも持参でき、治療中も生活の自由度は保たれます。月1回の通院が推奨されます。
(2)口腔(こうくう)内装具(マウスピース)
マウスピースは軽症、中等症の睡眠時無呼吸症候群の患者に対して用いられるのが一般的です。下顎を前方に出すことで気道を広げ、無呼吸を減らす効果があります。歯科でオーダーメード作製されます。
(3)外科的治療
扁桃腺肥大や鼻中隔のゆがみなど、解剖学的な異常が原因の場合は、耳鼻科での手術が有効なこともあります。
(4)生活習慣の見直し
・減量:減量すると喉周囲の脂肪が減少し、気道を広げる可能性があります。
・アルコールや睡眠薬を控える:睡眠時に喉の筋肉の弛緩(しかん)を防ぎます。
・横向きに寝る:あおむけよりも気道の閉塞が起こりにくくなります。
睡眠時無呼吸症候群は、単なるいびきや眠気の問題ではなく、心臓や脳、血管、代謝など全身に影響を及ぼす病気です。先述のように放置すれば、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病に悪影響を与え、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高まります。
しかし、この病気は早期に発見し、適切な治療を行うことで多くの合併症を防ぎ、生活の質を大きく改善できることが分かっています。いびきや日中の眠気が気になる人、家族から睡眠中の呼吸の異常を指摘された人は、できるだけ早く医療機関を受診してください。
(オトナンサー編集部)











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