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「婚活サイト」を悪用した男性を信じ、だまされた3人の女性(上)

プロポーズで無財産を打ち明けられ…

 2つ目のケースは不倫目的のサギ男ですが、これは大倉夕子さん(36歳)が彼からプロポーズされた時の言葉です。

「今は金がないから、式を挙げることはできそうもないよ。でも、少しでも稼ぐことができるように転職や副職を考えているから!」

 求婚という人生を左右する大事な場面なのに「低所得、無財産」という恥ずべき事情を堂々とカミングアウトしてきたのだから、夕子さんが「どういう神経をしているの?」と首をかしげるのも無理はありませんし、思わず「この人は大丈夫なの?」と心配するのはもっともなこと。

 それでも、夕子さんは彼の気持ちを受け入れたので、この日をもって2人の関係は晴れて恋人から婚約者へ。そして「夫婦」になることが確実だと思われたのですが、事は予定通りに進まなかったのです。一体、何があったのでしょうか。彼には、どうしても「入籍できない理由」があり、当日はひた隠しにしていたようなのです。

 彼の“秘密”をひも解くべく、まずは2人の出会いのきっかけまでさかのぼりましょう。2人が登録したのは婚活サイト。婚活サイト上では利用者が年齢や年収、貯蓄額などを登録し、相手のプロフィールが気に入ったらアプローチし、やり取りが始まるという流れですが、大多数の婚活サイトでは女性は無料。それなのに、夕子さんはわざわざ男女とも有料のサイトを利用したのですが、なぜでしょうか。

 夕子さんは既に36歳。結婚、妊娠、出産を望むにはギリギリの年齢で一秒でも早く相手を見つけたい、それなら、無料より有料の方がライバルの女性は少ないはず。そんなふうに焦りに焦っていたので、多少の利用料もいとわなかったのでしょう。

 婚活サイト上のプロフィールによると彼は調布市在住の34歳。救急救命士の有資格者で、消防官として救急隊に所属しているよう。例えば、2015年7月、調布市で小型飛行機が住宅地に墜落するという悲惨な事故が起こったのですが、彼いわく「(現場が)管轄だったので自分の隊も出動した」とのこと。

 どうやら、サイト上の職業に偽りはなさそうですが、消防士は地方公務員なので収入は安定しているはず。それなのに、彼はどうして手持ちが0円で、副業しなければ貯金できないほどカツカツなのでしょうか。

 夕子さんは彼とやり取りをする中で、致命的なうそが明るみに出たのです。婚活サイトは当然、未婚者しか利用できないので当然、サイト上で彼のプロフィールは「未婚」と表示されていたのに、本当は「既婚」だったのです。「独身証明書」の提出を求めない運営会社も悪いのですが、もっと悪いのはうそをついた彼の方でしょう。

 彼の家庭はいわゆる「小遣い制」で、彼は妻に給料を丸投げし、妻から毎月3万円の小遣いをもらうという弱々しい立場。3万円の小遣いを使い切ってしまえば、手元には何も残らず、それでも足りなければアルバイトをするしかないという有り様で、ようやく、あいさつ時の「無財産」の謎が解けたのです。

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

露木行政書士事務所代表

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

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