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【帰省ブルー】「うちの親、気を使わなくていいから」 能天気な夫に絶望…義実家で“孤立”した36歳妻の本音

妻が義実家に帰省した際に悩まされる「帰省ブルー」を改善する方法について、夫婦問題の専門家が解説します。

お盆の時期に妻が悩まされがちな「帰省ブルー」(画像はイメージ)
お盆の時期に妻が悩まされがちな「帰省ブルー」(画像はイメージ)

 お盆を前に、夫婦の間でひそかに増殖する悩みがあります。義実家への帰省です。お互いの両親に孫の顔を見せたい、久しぶりに親族で集まりたいという気持ちは大切です。一方で、古くから妻にとって夫の実家は、どれほど歓迎してもらっても「完全に気を抜ける場所」ではありません。

「台所にどの程度入り込む?」

「子どもの食事やしつけに口を出されたらどう切り返す?」

「お風呂はやはり最後に入って、掃除する昭和スタイル?」

「夫の兄弟、いとこなど同世代親戚にどこまで素を出して接すればよい?」

 こうした小さな緊張が積み重なり、帰省前から気が重くなる人も少なくありません。いわゆる“帰省ブルー”です。

 大切なことは、帰省ブルーを「義実家が苦手」「妻のわがまま」と単純化しないこと。問題の本質は、他にあります。例えば、妻が夫のご両親に気を遣うことだけではなく、夫が実家に戻った途端に「息子」に戻ってしまい、甘え出すことです。それにより新参者の妻がファミリーチームから外されたように感じます。

 総務省統計局の「令和3年社会生活基本調査」では、6歳未満の子どもを持つ夫婦の家事関連時間について、夫は増加傾向にあるものの、妻との差はなお大きいことが示されています。普段から家事・教育の負担が妻に偏りやすい中で、義実家帰省という「家事に関して気遣いの多いイベント」が重なると、不満が噴き出しやすくなるのです。

 義実家には「夫が家計を支える大黒柱。妻は家と子どもを守る」時代の両親の目があります。時代の価値観は一筋縄で分かり合えないものです。

帰省中、妻が一番しんどいことは何?

 スミレさん(仮名、36歳)は、夫と小学生の子ども2人を連れて、毎年8月に夫の実家へ3泊、帰省しています。義父母は愛想よく、優しい方々です。孫をかわいがってくれ、ハンバーグや唐揚げなど、子どもが好きなメニューをたくさん用意してくれます。

 それでもスミレさんは、帰省のたびにぐったりします。理由は、夫が実家に着いた途端、地元の同級生と飲みに出かけてしまうからです。スミレさんは義母と台所に立ち、子どもの相手をし、親戚の会話にも気を配ります。

 夫は「うちの親、フレンドリーだろ! 気を使わなくていいからね」と言いますが、妻からすればどんなフレンドリーなご両親でも、よそゆき顔をしなくてはなりません。「気を使わなくていい」と言えるのは、親子同士だけです。

 そこで、夫側に知ってほしいのは、妻を義実家に“遊びに連れて行く”のではないと自覚することです。家族の絆を強める帰省であれば、妻を“守る側に立つ”ことです。妻の言動で親が機嫌を損ねると絆どころではありません。

 例えば、帰省前に「夜の外出、飲み会は1回だけにする」「子どものお風呂と寝かしつけ、布団敷きは夫がやる」「母が育児、教育に口を出したら、夫からやんわり止める」と決めておくだけで、妻の負担感はかなり変わってきます。

 夫の実家では、妻はゲストです。同時にアウェイな場所で子どもの世話をする当事者。その矛盾した立場を一番理解し、通訳できるのは夫です。帰省中の夫は「実家のかわいい息子」より先に、「妻のパートナー」である必要があります。

出発前に決めておきたい3つのルール

 義実家への帰省を平穏に乗り切るには、ノリで何とかするより、出発前のすり合わせが有効です。そこで、帰省前に次の3つのルールを決めるのをおすすめします。

(1)滞在時間を厳格に
「何泊するか」だけでなく、「何時に着き、何時に出るか」まで決めておきましょう。終わりが見えている予定は、心理的な負担が軽くなります。妻がつらくなった時の休憩場として、近くのカフェやコンビニ、散歩コースなども確認しておいてください。

(2)家事・育児の分担
義実家に着いた瞬間、夫がソファでくつろぎ、妻だけがキッチンに立ち、騒ぐ子どもに注意するという場面があります。すると妻は「私は何のためにここに来たんだ」という気持ちになります。そこで、夫は「食器洗いをする」「子どもの着替えを担当する」など、役割を具体的に決めておきましょう。

(3)義父母への連絡・依頼は実子である夫が担当する
特に子どもがいる場合、育児や教育方針、スマホの使い方、ゲーム時間制限、食べ物選び、おやつの与え方などは世代間で考え方が全く違います。妻が義父母に直接反論すると角が立ちやすいため、夫が「今はこんなルールを作っているんだ」「医師や園の先生からこう言われているんだ」と、自分の言葉で伝える役を担うことが大切です。

滞在中の夫のNG行動は「丸投げ」「比較」「妻を下げる」

 帰省中に夫がやってはいけない行動があります。本人は悪気なくしている小さな行動が、アウェイでの妻の心を削ります。

 まず、先述の通り、妻を残して長時間外出すること。地元の友人に会いたい気持ちは分かりますが、事前に妻の了承を取り、子どもの世話や翌日の予定とセットで調整しましょう。

 次に、「かあさんの味がなつかしいよ」「かあさん、裁縫うまかったよね」など、実家基準で妻を比較すること。これは妻にとって、味方を失ったように感じる言葉です。

 さらに避けたいのが、親の前で妻を下げる発言。「ミサキ(仮名)は料理しないんだよ。冷凍パックが便利でおいしいからって」「うちは断捨離が必要なほど、モノであふれている」「ミサキは洋服大好きで、食材節約しても服に消える」など、場を和ませるつもりの軽口はNG。夫婦の内側の話を、夫の実家でネタにしないのは最低限のマナーです。

帰省中の妻の心構え

 妻側にも心得があります。それは「完璧な嫁」を目指し過ぎないこと。「義実家でずっと笑顔でいる」「家事を全部手伝う」「親戚全員に感じよく対応する」「子どもを叱らない」など、全部こなそうとするとストレスが上がる一方です。大事なのは、良い嫁を演じることではなく、自分の消耗を管理することです。

 フミヤさん(仮名、39歳)夫婦は、以前は帰省後に必ずけんかをしていました。妻は義実家で気を張り続けていたのに、フミヤさんは「楽しそうにしていたじゃない」と言うからです。「楽しいわけないでしょ。3日間どんだけお皿洗ったと思ってんの!!レストランの食器洗いのバイトレベルよ」とキレる妻。

 そこで夫婦で決めたのが、「妻は夕方30分だけ1人でコンビニに散歩に出る」「夜は子どもを寝かせたら夫婦で10分だけ今日の気持ちと明日の予定の話をする」「引き止められなければ早めにわが家に帰る」というお約束でした。

 すると、妻は「休憩場がある」と思えるようになり、フミヤさんも妻の疲れ具合に気付けるようになりました。義実家との関係が劇的に変わったわけではありません。ただ、お互いの気持ちを分かろうとしただけです。すると妻の帰省ブルーが夫婦げんかに直結しなくなったのです。

 妻は、苦手なことをあらかじめ夫に伝えておきましょう。「キッチンに義母と2人で長くいるのは緊張する。会話のネタが見つからない」「子どもの食事に口を出されると返答できない」「あなたが留守すると孤立する」など、具体的な場面で伝えると、夫も動きやすくなります。

親孝行は大事

 帰省は、親孝行の場であると同時に、夫婦の団結力が試される場でもあります。夫に求められるのは、親と妻の間にかかるブリッジのような役割です。自分たちの家庭の代表として、妻と子どもが安心して過ごせるようにしましょう。

 妻は、事前に帰省中の希望や限界を言葉にすることです。ご両親との相性もあります。とても仲が良く、帰省が楽しみという方々もたくさんいます。とは言え、私は「気さくなお嫁さんでよかったわ。私は老後、施設には入りたくないから介護はよろしくね」とニッコリされ、ドン引きした妻のお話も聞いています。

 事前の小さな準備が、帰省ブルーを「夫婦げんかの種」ではなく、「夫婦の結束力を見直す機会」に変えてくれるはずです。

(「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美)

【画像】「えっ…!?」 これが帰省中に夫がやってはいけない“NG行動”です!

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三松真由美(みまつ・まゆみ)

恋人・夫婦仲相談所 所長(すずね所長)・執筆家

夫婦仲・恋仲に悩む女性会員1万3000名を集め、「結婚・再婚」を真剣に考えるコミュニティーを展開。セックスレス・ED・女性の性機能に詳しく、性を通して男女関係をよくするメソッドを考案。20代若者サークルも運営し、未婚世代への結婚アドバイスも好評を呼ぶ。恋愛・夫婦仲コメンテーターとしても活躍中。業界最大手「ごっこ倶楽部」のセックスレスをテーマにしたショートドラマを監修し、5カ月で1億回再生に到達。著書は「夫婦の『幸せ循環』を呼ぶ秘訣」(講談社)「モンスターワイフ」(同)「40歳からの女性ホルモンを操る53の習慣」(扶桑社)「堂々再婚」(wave出版)など多数。コミック「『君とはもうできない』と言われまして」(KADOKAWA)の監修も手掛ける。恋人・夫婦仲相談所(http://fufunaka.com/)、公式note(https://note.com/suzune_16)、オトナのお悩み保健室(https://otona-hokenshitsu.jp/)。LINE登録で「夫婦仲チェックシート」を無料プレゼント(https://fufunaka.com/archives/lp/line)。

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