【トイレ】“便”がこびりつく 実は大腸&膵臓に“異常” 消化器外科専門医が「3つの原因」解説
便が便器にこびりつく原因について、消化器外科専門医に聞きました。
排便時、便器に便がこびりつくことがあります。この場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。病気の可能性はあるのでしょうか。筑波胃腸病院(茨城県つくば市)理事長で消化器外科専門医の鈴木隆二さんが解説します。
膵臓の機能低下で脂肪便の原因に
便器に便がこびりつく原因ですが、「食生活」「消化器の問題」「病気の可能性」の3つに分けて解説することができます。順番に説明します。
(1)食生活
・脂質の多い食事
脂肪分が多い食べ物を摂取すると、便がべたつきやすくなります。これは、脂質が腸内で十分に消化されずに便に残るためです。
・食物繊維が不足
食物繊維が不足すると、便が硬くなりがちです。硬い便は便器にこびりつきやすいです。野菜や果物など、食物繊維が多く含まれる食べ物を摂取すると、便の水分を増やし、柔らかく滑らかな便が作られます。
・水分不足
水分が不足すると便が固くなり、こびりつきやすくなります。十分な水分摂取は、便の滑りを良くするために重要です。
(2)消化器の問題
・便秘
便秘が続くと、便が腸内に長時間滞在します。すると、便の水分が吸収されて固くなり、排便時に便器にこびりつくことがあります。
・脂肪便
消化不良や膵臓(すいぞう)の機能低下によって、脂肪が便に多く含まれる状態、いわゆる脂肪便になることがあります。脂肪便は粘着性が高く、便器にこびりつきやすいです。
・消化不良
食べたものが十分に消化されない場合、便の中に消化されていない食物成分が残り、これが便をべたつかせることがあります。
(3)病気の可能性
・膵臓の疾患
膵臓の機能が低下すると、脂肪を十分に分解できなくなり、脂肪便となります。
・腸の炎症性疾患
クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患の場合も、便に異常が出ることがあります。
食生活を見直し、水分を十分に摂取することで、症状の改善が期待できますが、症状が続くようであれば、消化器専門の医療機関を受診するのをお勧めします。
(オトナンサー編集部)
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