笑うと「歯茎」が目立つ…「ガミースマイル」はなぜ起こる? 歯科医師に聞いて分かった“4つの原因”
そのままにしておいても問題ない?
ガミースマイルは改善した方がよいのか、それとも、そのままにしておいても問題ないのか――。悩む人もいると思います。
審美・美容的な面を除くと、ガミースマイルそのものが大きく健康面に影響することはありません。しかし、骨格的に口が閉じづらい場合は口呼吸になりやすいため、口が乾きやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが上昇します。また、上顎が前方にある場合は外傷によって前歯をぶつけてしまうリスクが上がります。このような、ガミースマイルそのものというよりも、その“原因”によって生じるリスクには注意が必要です。
ガミースマイルの治療を希望する場合、問題別に次のような治療方法が挙げられます(注意していただきたいこととして、次の処置はあくまでアプローチ方法であり、処置自体を医療的に推奨するものではないことをご了承ください)。
【歯茎自体が問題となるもの】
・薬物や炎症、全身疾患に伴う「歯肉増殖症」の場合……治療によって歯肉の増殖を改善させる
・生まれつき「付着歯肉」が長い場合……精査により、歯茎の切除や、必要に応じて歯茎の下の骨の削去を行う
【唇が問題となるもの】
・笑うときに上唇を持ち上げる筋肉が、過度に発達している場合
(1)ボトックス注射を行う(3~6カ月の効果)
(2)上唇と歯茎を内側で縫い、物理的に上がらなくする
・唇自体が薄い場合……ヒアルロン酸注射を行う
【歯が問題となるもの】
・前歯が下方に出ている場合……矯正治療によって前歯を上方に持ち上げる
・歯列のでこぼこによって、一部の前歯が内側に入っている場合……矯正治療によって歯列を整える
【骨格が問題となるもの】
・骨格的に上顎が前方に出ている場合
(1)顎の手術を行い、上顎を後方に下げる
(2)矯正治療によって前方に出た歯を後方に下げる
・骨格的に上顎が下方に伸びている場合
(1)顎の手術を行い、上顎を上方に上げる
(2)矯正治療によって、歯を上方に上げる
先述した通り、ガミースマイルが単体の原因で起こるケースは少なく、また機能的に問題がない場合もあるため、非可逆的な処置に関しては、しっかりとした判定と患者さんの意向が大切になります。特に、歯茎や歯槽骨の切除、被せもの、手術、矯正治療による全体的な歯の上方移動などはかなり非可逆なものとなるため、メリットやリスクを事前にしっかりと考えていくことがとても重要です。
(オトナンサー編集部)
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