笑うと「歯茎」が目立つ…「ガミースマイル」はなぜ起こる? 歯科医師に聞いて分かった“4つの原因”
笑ったときに歯茎が大きく見え過ぎる「ガミースマイル」。気にするあまり「恥ずかしい」「思い切り笑えない」という人もいます。原因や治療法について、歯科医師が解説します。

笑ったときに歯茎が大きく見え過ぎてしまう状態を指す「ガミースマイル」という言葉があります。「チャームポイント」「かわいい」という声もありますが、「恥ずかしい」「気になって思い切り笑えない…」と気にする人は少なくありません。歯並びに問題がある人だけでなく、歯並びがきれいな人にもみられることがあるようですが、なぜ「ガミースマイル」になってしまうのでしょうか。千葉センシティ矯正歯科(千葉市中央区)院長で歯科医師の石川宗理さんが解説します。
「3ミリ以上の歯茎の露出」が基準
「ガミースマイル」とは、自然な笑顔の状態で上顎の歯茎が強く露出する状態のことです。医学的な基準としては、歯科医師や論文によって多少の差がありますが、「笑ったときに3ミリ以上の歯茎の露出がある」場合に、ガミースマイルとして捉えることが多いです。笑ったときに1~2ミリ程度の歯茎が見えることは問題ありません。
ガミースマイルの原因は、大きく次の4つに分けられます。
(1)歯茎自体が問題となるもの
・薬物や炎症、全身疾患に伴う「歯肉増殖症」
・生まれつき「付着歯肉」と呼ばれる歯茎の部位が長い
(2)唇が問題となるもの
・笑うときに上唇を持ち上げる筋肉が、過度に発達している
・唇自体が薄い
(3)歯が問題となるもの
・前歯が下方に出ている
・歯列のでこぼこによって、一部の前歯が内側に入っている
(4)骨格が問題となるもの
・骨格的に上顎が前方に出ている
・骨格的に上顎が下方に伸びている
基本的には、これらが単体で生じることは少なく、原因が複合的に重なってガミースマイルとなることが多いです。
また、ガミースマイルになりやすい人の特徴として、医学的な根拠は弱いですが、1999年に海外で発表された論文では、「アジア人は白色人種に比べると、スマイルライン(笑ったときの上唇の位置)が高い」「35歳以下」「男性よりは女性に多い」という報告があります。
なお、ガミースマイルは「歯並びがいい人」にもみられることがあります。先述の(1)(2)(4)に関しては、歯並びがよい状態でも起こり得ます。歯茎や唇といった軟組織、骨格自体の問題のためです。
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