オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

「健診」と「検診」の違いは? メタボはどちらに該当? 医師が解説

「健診」と「検診」は、何が違うのでしょうか。医師に聞きました。

「健診」と「検診」の違いは?
「健診」と「検診」の違いは?

 医療機関での検査を表す言葉として、「健診」「検診」があります。どちらも同じような意味で使われる言葉だと思いがちですが、実はそれぞれ定義が異なります。医療機関で「健診」と「検診」は、どのように使い分けられているのでしょうか。定義の違いについて、内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんに聞きました。

病気予防のための検査は「健診」

Q.「健診」と「検診」の違いについて、教えてください。それぞれ、どのようなときに使われる言葉なのでしょうか。

市原さん「『健診』は健康診断のことで、健康状態を確認して病気を予防する意味合いがあります。人によって異なるとは思いますが、略して健診と呼ばれることが多いです。

『検診』は、特定の病気を発見するための検査で、例えばがん検診があります。医療現場では、健診と検診を使い分けるのが常識で、定義の通りに使っているケースが多いと思います」

Q.では、メタボリック症候群に関する検査は健診、検診どちらに該当するのでしょうか。

市原さん「メタボリック症候群に関する検査は、メタボ健診と呼ばれます。なぜなら、メタボリック症候群は心臓病や脳卒中など、さまざまな病気にかかりやすい病態であり、メタボの兆候の有無を確認する検査を行うことで、病気を予防する意味合いがあるからです」

Q.「健診」と「検診」は、それぞれどの程度の費用がかかるのでしょうか。

市原さん「会社が従業員に対して行う健診の場合、会社が費用を全額負担するのが一般的です。一方、がん検診の場合、基本的に保険適用の対象外ですが、費用を一部補助する自治体もあります。健診、検診に関しては、さまざまな制度があるため、自治体のホームページなどで調べるのをお勧めします。

自分の意思で健診や検診を受ける場合は、検査の内容や施設によって費用が異なりますが、基本的に全額自己負担です」

 がんのように、症状が進むと手遅れとなる病気もあります。まずは、勤務先の会社が実施する健診の検査結果を参考に、食生活を見直したり、運動する時間を増やしたりするなど、病気を予防するための取り組みを実践したいものです。

(オトナンサー編集部)

1 2

市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

eatLIFEクリニック院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。eatLIFEクリニック(https://eatlife-cl.com/)。

コメント